ゴルフゾンジャパンが展開する『GOLFBUDDY』(ゴルフバディー)ブランドより、新しいレーザー距離計『GOLFBUDDY aim L30 Stabilized』(5万9400円)が発売された。そこで距離計マイスター「くわっきー」こと桑木野洋二氏が同製品をゴルフ場でテスト。性能を徹底解説する。
【動画】『GOLFBUDDY aim L30 Stabilized』をコースでテスト
**桑木野** 今作はサブネームに最大の製品特徴が表現されていた。『Stabilized』。「手ブレ防止」機能が付いているのだ。ただ、この優れた機能は多くのエネルギーを必要とする。ラウンド中に電源切れを起こさないようにType‐Cの充電方式を採用した。1回の充電で1500回以上使用できるが、スマホと同様にラウンドから帰宅したら充電する習慣にしておけば安心だ。
手ブレ防止機能だけでも確実にピンフラッグを捉えられそうなのに、測距速度が約0.15秒の速さと聞くと驚きしかない。さらに「ジョルト機能」を付けたという。手ブレを補正して計測し、完了したら「ブルッと」震えて教えてくれる機能の組み合わせ、「それってどういうこと?」と混乱した。理屈では最適な組み合わせと理解できるが、相反するような機能のように思える。開発チームの苦労は想像に難くない。ますます興味が湧き、早く体感したくなった。
サクサク感が気持ちいい
**桑木野** 早速テストラウンドの機会が訪れた。千葉セントラルゴルフクラブAコース1番、581ヤードもある長いPAR5だ。
手にすると程良い大きさ(106・6×71・5×42mm)、ほど良い重量(211g)だが、手にフィットする感覚がすごく印象的だ。上部のしっとり感と底部の蛇腹形状、そして珍しい逆8の字のボディが効いている。使い勝手を良く研究しているなと感心した。
ファインダーを覗く。赤字の数字と十字マーク、それに緑の輪。2色OLEDで鮮明に映る。サイドのボタンをダブルクリックすると4段階で明るさを調整できた。ピント調整と合わせてその日のベストを探した。
ほぼ真っ直ぐなホールだが、ドライバーの狙い場所付近の右にはバンカー、その先の左には大きな木がある。構えて左の木を狙いボタンを押すと瞬時に「ブルッ」と計測完了。測距速度0.15秒の速さを体感した。300ヤードは超えているので問題がないことがわかった。
続いて右のバンカー。奥のフチを狙う。ボタンを押すと間髪入れず「ブルッ」。ピンフラッグとは異なり、確実な目標地点がわからないので周辺に当てて繰り返しボタンを押す。サクサクと即答してくれるのでベストな箇所を探すのに時間を要しない。バンカー奥のフチまで241.6ヤード。計測数値が0.1ヤード刻みなのがすごい。
左右のレイアウトが正確にわかったので、フェアウェイやや左を狙うのがベストと頭にインプットした。軽くつかまったドローボールがフェアウェイ左に着弾し、傾斜なりでセンター付近に転がった。2打目地点に向かう。実測240ヤード超えのナイスショット。早速「最高峰レーザー距離計」の恩恵を受けた1打だった。
長いPAR5だが、2打目地点からピンフラッグが見える。300ヤードは残っていそうだ。「aim L30」をピンフラッグに向ける。ボタンを長押しして「ピンサーチ機能」が効くか試してみた。右に「P」マークが表示される。ダメもとだった。しかし、あっさり計測出来た。299.4ヤード。この距離でピンサーチができ、ポテンシャルの高さに驚くばかり。
2オン狙いを諦め、右バンカーまでの距離を計測し、7番ウッドで200ヤードを確実に運ぶイメージを膨らました。ハーフトップめだったが、狙い通りに真っ直ぐ飛んで行った。ちょっと所有感が満たされる最高峰モデルは、よく考えて自信を持ってショットできるから良い結果につながるのかなと不思議な感覚。欲しくなった。
3打目は残り100ヤード強。上り傾斜も加味してサクッと、瞬時にピンフラッグまで、続いてフロントエッジまでの距離が計測できた。実にスマートなプレイを体感できた。
もちろん高低差を計算しない競技対応はしている。「SLOPE」ボタンをスライドし、OFFにして使用するとサイドに大きく広がった囲みラインが緑から赤に変わる。これなら誤解を生むことはないだろう。
最高峰を手にする意義
**桑木野** 実際にコースで使ってみて、いつでも「サクサク」、ノンストレスでプレイ出来た。「手ブレ防止」、「測距速度0.15秒」、「ジョルト機能」、「2mから900mまで計測できる高い測定能力」、「見やすい2色OLED」、そして「IPX4 生活防水」。
今考え得るレーザー距離計の高機能がフルパッケージで内蔵されるとこんなにも気持ち良いのかと実感。それに手にした感覚もきめ細かく追求した工夫、高級感に溢れた専用ケース。冷静なマネージメントが出来て、スコアアップにつながるような気がするから不思議だ。最高峰モデルを持つ意義がわかった気がした。
シミュレーターのリーディングカンパニーが自信を持って送り出すレーザー距離計。14本のクラブに続く大切なゴルフギアとして、面白い存在になりそうだ。