グローブライドは3月、2年ぶりのフルモデルチェンジとなる『ONOFF AKA』(オノフAKA)を発売した。コンセプトである「全芯主義」にさらに磨きをかけた意欲作に仕上がっている。
そこで、多くのフィッティング経験を持つ、ゴルフ5 プレステージ新宿店の隠岐和也フィッターに『オノフAKA』の現状を聞いた。
【動画】『ONOFF AKA』アイアンをライ角別試打!
今作のアイアンはライ角を調整できるとあって、よりゴルファーにフィットした選択が可能。そこで隠岐和也フィッターがライ角別に同アイアンを試打し弾道の違いを徹底検証する。動画で観てもらいたい。
『オノフAKA』を解説
まずは『オノフAKA』のイメージを聞かせて下さい。
「実は個人的に『オノフ』シリーズは好きで現在でも使用しています。特にフェアウェイウッドやユーティリティは以前から、スイートエリアの広さ、打感、打音、飛距離、球の高さなどトータルのバランスが優れているし、『ラボスペックシャフト』も完成度が高い」
今作の印象は?
「性能の良さは引き継ぎつつ、今作はヒール下やトゥへのミスヒットに強くなり芯が広くなったと思います。意外だったのはユーティリティの顔が良い意味で『オノフAKA』っぽくなくスッキリしたこと。それでいてやさしくつかまって高い弾道が出るのでお客様からも好印象です。それとフェアウェイウッドもフェースとクラウンの境目をボカシているので、過度にフェースが被って見えません。スピンが丁度良くお客様も『飛ぶね』と驚いています」
予約状況と来店客の声は?
「予約開始して間もないのでまだ5名ほどしか試打してもらえていませんが、ドライバー1件の予約が入っています。その方はスライスが強く、『オノフ』含め4つのメーカーと比較試打してもらったところ、『オノフAKA』のスピン量が500回転ほど少なかったのが決め手でした。市場は高慣性モーメントがトレンドですが、今回のお客様のようにヘッドが開いたまま入ってきてしまうと右への球しか出ません。何でもかんでも慣性モーメントを大きくすれば良いわけじゃないんです。元々のつかまりの良さに加え、今回は裏技で、後方のウエイトを外して適度な操作性を入れたことでさらにつかまった球が出るようになりました」
他の試打した方の反応は?
「フィッティングしていて思うのは、ヒール下にヒットして明らかに擦っているにも関わらず、意外と真っすぐ飛んでいるということ。加えてトゥ側のギア効果が高いので、その意味でも芯の広さを感じます。それとこれは以前から共通していますが『パワートレンチ』という溝が入ってから、打ち出しが高いわりにはスピン量が少ない。『ラボスペックシャフト』も30g台からありヘッドとのマッチングも良いです」
アイアンについては?
「正直前作の『オノフAKA』アイアンのガラスを割ったような破裂音を嫌うお客様も多かったのですが、今作は飛距離がありつつしっとりしたマイルドな音に変わりました。好きな人は多いんじゃないかと思います」
今作は±2度、ライ角を調整できるようですね。
「フィッターとしてこれはとても嬉しいことです。私はライ角は服で言うとサイズと同じだと思っていて、どんなお洒落な服でもサイズが合わなれば着られないように、ライ角は入口としてとても重要な要素です。経験上、手元が浮くことでトゥダウンする方が6~7割なので、2度アップライトにするだけで抜けの良さが変わります。飛び系の部類に入るアイアンでライ角を調整してくれるのは珍しいと思います」
最後に今作への期待感と要望を聞かせて下さい。
「元々『オノフ』はスロースターターで、口コミで徐々に認知され、他のメーカーに比べて長く売れる傾向があるためこれからだと思っています。今作は全体的にスイートエリアが広いので試打してもらえれば良さが伝わるでしょう。それとデザインをカッコ良い路線に振ったことについて肯定的な意見も多いので期待しています。一点要望があるとすれば、カット打ちでスピンが多すぎる方の対策としてロフト9.5度がほしいところです。これだけつかまりが良いので、9.5度があればさらにフィッティングの幅も広がりそうです。次回作は是非ラインアップしてほしいですね。いずれにしても『オノフ』は根強いファンが多いので今作も期待しています」