愛媛のコンポーネントパーツメーカー・MKトレーディングのMIRAI『MEGEM(ミゲム)』ドライバーがリニューアル。
可変スリーブを搭載した新モデル『MEGEM NO.3』は、美しい蒼い宝石をモチーフにしたデザインを採用、ソール前方にスリットを配置したやや浅重心設計が特長的だ。
ギアに精通するソクラテス永井延宏プロが試打。その性能を紐解いていく。
『MEGEM(ミゲム)』の第一印象
MIRAIブランドのヘッドというと、「男前のスクエアフェース」の印象ですが、今回試打する『MEGEM NO.3』は、ややフックフェースのシャロー形状を採用。ターゲットを広げようという意図が伝わってきます。
実際に構えてみると非常にバランスのいい形状です。フェース側とボディのセンターが整っているので、スッと素直に構えることができます。
また、新モデルではカチャカチャ機能を搭載していますが、ネック周りはかなりスッキリした印象。ですので、投影の大きさよりも、引き締まったヘッドといえ、操作性の良さ、球のつかまり、軽い振り心地というのがイメージできます。
ブルーIPのフェースとクラウン部の一体感もあり、カラーリングだけでなくヘッド全体のシルエットもきれいですね。
ソールデザインにもあしらわれていますが、宝石のような輝きや所有感を訴求しており、トゥ&ヒール側の計4カ所の重量調整により弾道のコントロールが可能になっています。
これ以外にもソールのフェース寄りにスリットを入れるなど、昨今のトレンドをしっかりおさえた『MEGEM NO.3』。これからテストしてみたいと思います。
『MEGEM NO.3』を試打!低スピンの強弾道!
うぉー、独特なインパクト音ですね。強烈に甲高いので、気持ちよく爽快に振り抜けました。この部分はフェース寄りのスリット効果でしょう。実際のコースではさらに爽快感が得られると思います。
トラックマンの解析データを紐解くと、「低スピン特性」が如実に表れています。具体的には、1700回転、打出角は12.8度でライナー性の強弾道が得られました。
やや浅重心設計ということですが、手に乗せて重心アングルを見てみると確かに近年のモデルに比べ浅いタイプに属します。この部分も低スピンに繋がっていると思われ、狙い通りのヘッド性能といえるのではないでしょうか。
装着シャフトをフィッティングすれば、飛ばしに繋がる弾道というのがしっかり見えてくると思います。
『MEGEM NO.3』はルール適合モデルですが、とにかくフェースの弾き感があって、ボール初速もありますし、何より低スピンヘッドというのが『MEGEM NO.3』の個性になると思いますので、そこをどう引き出すかがキーになると思います。
今回、試打クラブにはTRPX「アフターバーナーAB501」(SR 、45.5インチ)シャフトが装着されていましたが、トラックマンの計測値はHS42.4で初速は63.4。ミート率は1.49ですからインパクト効率は非常に高いといえます。
とにかく初速感がありますよ。かなりゆっくり振っていますが、スリーブ付きなのにヘッド重量が軽く(192g)、速く振れちゃうので、自分のイメージよりも初速が出ています。自分でスイングスピードを上げて振っていける人は、最大飛距離を得られやすいヘッドです。
『MEGEM(ミゲム)』はフィッティングが重要
ヘッド特性が見えてきたところで、もう一球打ってみました。「アフターバーナー」は、はじき系シャフトですので、インサイドアウト軌道で右に打ち出すイメージで打ってみました。すると、ボールスピン量が2500rpm前後の適正値になって、先ほどよりもキャリーが10Yアップ。
何度もいいますが、フィッティングをして低スピンヘッドの性能を引き出すようなシャフトを選択してあげてください。
『MEGEM NO.3』は、左右打点のオフセンターヒットとモーメントの強さもあります。スッと自然に構えて、心地のいい打球音を左耳で確認してから、低スピンで飛び出していく。それが『MEGEM NO.3』です。