2023練習場/インドア

メーカーが市場調査から運営までパッケージ ゴルフナビ社の開業支援サービス『ゴルフナビ+』とは

ゴルフナビ 

2023/04/16

ベーシックモデルから最上位高性能モデルまでリーズナブルな価格設定

昨年、韓国GTR社とITD社が製造する「ゴルフナビ」ブランドのシミュレーターの日本正規販売代理店となったのがゴルフナビ社。シミュレーション大国の韓国でもトップ5に入るブランドだ。

そのゴルフナビ社が展開するのが、練習もラウンドも思うがままの『ゴルフナビ』、クラウドバージョンで最上位モデル『GOLFNAVI GTR』の『ST(シミュレーション・トレーニング)』と、ラウンドが主となる『SR(シミュレーション・ラウンド)』の3機種。

大きな特徴は3機種とも競合他社モデルと比較して、大幅にリーズナブルな点だろう。メーカー希望小売価格(税別)は、

■『ゴルフナビ』:250万円
■『GTR ST』:350万円
■『GTR SR』:450万円

と、『ゴルフナビ』は決して廉価版という位置づけではないのだが手ごろな値段。『GTR』は他社同等機種より大幅に導入しやすい価格設定となっている。ゴルフナビ社の種茂幸也社長は、

「日本でもシミュレーションゴルフという文化を根付かせたい。そのために、不要なコストを抑えて高品質で高機能なシミュレーターを提供していきたい」

これらのシミュレーターは、先のGTR社の超高速カメラセンサー技術と、ITD社の最新鋭データ解析技術によりイニシャルコストを含め、全てのゴルフシミュレーターの課題を解決するために開発されている。それでは各機種の特長は表を見て頂こう。

シミュレーターメーカーがパッケージ販売で場所と資金があれば開業可能

そのゴルフナビ社が新たな提案を行う。それが「ゴルフナビ+」というもので、シミュレーターゴルフ機器を販売するだけではなく、開業支援まで行う。そのパッケージ内容は、

①市場調査&関係調査
②商品企画
③設計
④施工
⑤ホームページ・予約サイトの構築運営
⑥無人運営システムの運用
⑦宣伝広告
⑧各種消耗品等の提供

つまり、場所と資金があれば、開業が可能で、基本的な開業から運営までゴルフナビ社に任せることができるのだ。同社で、不動産鑑定士と宅地建物取引士の資格を保有する倉元孝弘ゴルフナビ+事業本部長は、「ゴルフナビ+」のパッケージ販売開始の背景を次のように語っている。

「これまで多くのインドア施設を拝見しましたが、施工業者にとっては『インドアゴルフ施設の施工は特殊』というイメージがあるのでしょうか、通常の市場で起きるべき良い意味での施工費用に関わる価格競争が起きていないように感じています。もちろん、品質や納期を高いレベルで保持することが最優先なのですが、調査をすると現状完全といえるようなパッケージになっていないことが分かりました」

パッケージになっていないとは、例えば施工ひとつにしても壁の防球マット、人工芝、打席マット、入退館システム、予約システムの導入など、もちろん専門業者が行うが、全体の施工管理及び責任を負うポジションを有する施工管理会社が少ないのが現状だ。

結果、コストが嵩み、納期が長期化、施設のコンセプトからズレてしまうケースも。何より、施設自体の品質が低下してしまう可能性もある。

「防球マットにしても当社では独自開発し、その1枚1枚の縁はボールが当たっても過度な跳ね返りもなく、経年劣化等で防球マットが敗れても、1枚ごとに交換できます。その防球マットの開発で、防球マット自体のコストは半減しています」

インドア施設は様々な材料を使い、様々な施工が施される。それをワンストップサービスで、市場調査から設計、そして施工、そして宣伝や運営まで行う。同社の種茂幸也社長は、

「インドアゴルフ施設を投資目的ではなく、新たな事業として取り組みたいと考える企業は、何から手を付けて良いか分からない場合もあると思います。真剣に新規事業に取り組む企業にこそ、このワンストップサービスが生きると確信しています」

その第一号店が2月16日、東京都江戸川区にオープンした。

オーナー希望のコンセプトを実現した船堀の1号店

2月16日にオープンしたのは「GOLFNAVI+ AKAGI FUNABORI STUDIO」だ。オーナーは清掃業が主業の赤城総業という会社。オーナーが新規事業としてゴルフ人口の増加に寄与したいと開業した。

入口からはスマホ連動の入退出管理システム「Akerun」で、予約は「RESERVA」を採用。入室するとシンプルな内装にこだわりがある。ゴルフナビ社の種茂幸也社長はクリエイティブディレクターの肩書もあり、

「船堀店は、30~40歳代の女性客をターゲットの一つに考えています。そのため、現在の若者が好むミニマリスト的な感覚に受け入れられるシンプルさで無駄を排除。しかしながら利便性の良いデザイン、内装に設計しました」
 
イメージだけで30~40歳代女性をターゲットにしたのではない。

「実は住民基本台帳では、当地域の人口構成比のピークが30~40歳代の女性なんです。そのような出店場所の環境も考慮してターゲットを想定し、それにマッチするデザインを心掛けました」

細やかな気配りもある。ひとつは、施設内の奥に通常来場者が入れない事務所的な部屋があるが、その部屋と隔たる壁には黄金比のシンプルな欄間が設えられ、窮屈な印象を与えず、居心地の良い空間を演出している。さらに、導入されているシミュレーター『ゴルフナビ』の後方カメラの上には、利用者が自らのスマホでスイング動画を撮影できるよう、スマホスタンドを設置。会員が音楽を楽しみながら練習やラウンドに興じることができるようBluetooth接続可能な小型スピーカーも導入。

「これらだけではなく、壁一面に広がるスクリーンサイズの企画、予算に応じたマット選定から設計、運用など、すべてがワンストップサービスの『ゴルフナビ+』だから可能な開業・運営支援のパッケージなんです」

もちろん、オーナーの赤城総業にも新規事業立ち上げだけではなく、将来の青写真もある。種茂社長によると、

「もともと清掃業が本業なのですが、インドア施設を多店舗展開する計画があると聞いています。その施設で清掃管理等のノウハウを蓄積して、同社が展開するインドア施設のほかでもインドアゴルフの清掃サービスを展開したいと考えられているようです」

ワンストップのインドア施設開業・運営支援パッケージ「ゴルフナビ+」によって、新たなシナジービジネスも生まれる予感がする。

建築業免許の取得と利用者へのサービス強化 新ビジネス構想も

その「ゴルフナビ+」だが、どのような将来像を描いているのだろうか? 倉本事業部長は、

「まず、施工という側面では建築業に関する免許取得を早い段階で行います。免許取得によって、建築業、施工管理など責任は重いですが、安全な施工による、安全な施設づくりを目指します。元受け業者としての地位を確立したい」

もともと、ワンストップのインドア開業支援・運営パッケージ「ゴルフナビ+」は、施設施工に関する問題意識が起点となっている。それ故に、倉元事業部長の話はインドアゴルフ業界にある意味で革命を起こすかもしれない。
 
一方で、先述した低価格ながら最上位機種の『GTR』はクラウドに繋がっている機種。「ゴルフナビ+」でのパッケージ販売が増加することはもちろんだが、『GTR』が普及すれば、導入企業は様々な会員サービスや導入施設が新たなビジネスを生み出すこともできるという。種茂社長は、

「まず、会員を対象とした用品販売、ゴルフショップとの連携でクラブフィッターなどへの送客ビジネスも想定しています。もちろんインストラクターへの送客なども可能になるでしょう」

会員がクラウドで繋がれば、ビックデータとなり、それによってゴルフショップやインストラクターと連携できる。さらに、

「当社のシミュレーションゴルフ機器を使ったインストラクターの教育制度、資格制度も視野に入れています。すでに一部ですが、弾道計測器の世界では機器を使いこなせる専門家がいて、それがレッスンやフィッティングなどにも大きく寄与していると聞いています。それが実現できれば、単なるシミュレーション機器メーカーとしてだけではなく、また、インドアの企画会社としてだけではなく、ゴルフ人口の増加に寄与でき、シミュレーションゴルフという文化を日本のゴルフ産業に根付かせることができると信じています」

シミュレーションゴルフの世界は百花繚乱。しかし、メーカーがワンストップサービスを提供して、異業種の導入業者だけではなく、ゴルフ産業へ革命を起こそうとしている。ゴルフナビ社の動向から目が離せない。

GOLFNAVI+
AKAGI FUNABORI STUDIO
〒132-0025 東京都江戸川区松江6-1-3


ゴルフナビ 

ページのトップへ