レーヴは昨年11月20日、新シャフト『BREAKOUT(ブレイクアウト)』(6万9300円)を発売した。
同社のシャフトは世界中のドラコン競技を席巻しているが、今作の特徴はスイングスピードを上げて大きくしならせても、暴れず安定した挙動を実現し、力強い弾道で飛距離をアップに寄与する点だ。
シャフト重量は47インチで44gを実現。装着後は30g台相当と超軽量ながらも、同社の『アサルトアタック』同様、先端部にニッケルボロンをバインドすることで、強烈なパワーにも当たり負けしない強度を実現している。同シャフトを試打した関浩太郎氏は、
「30g台まで落ちると強度が下がってしまうというのが常識ですが、高強度の素材を使用しているため、実際は60g、70gの力強さを体感できるシャフトに仕上がっています」
と解説する。
また高弾性70tフルレングスにフルレングスボロン、70tシートを手元に更に施し、二重構造にする事で手元剛性をアップさせ、ハイスピードの加速により圧倒的な飛距離を実現した軽量スピードシャフトになっているという。この点に関しては関氏は、
「70tカーボンやボロンは非常に高額な素材で、料理で言えば高級食材と同じ。ボロンを使うだけでも8万円を超えるシャフトになることがほとんどです。ヘッドは創意工夫や重心設計である程度の性能は出せますが、シャフトばかりはこの食材の良し悪しで性能が大きく変わってきます。そんな高級食材を惜しみなく使っている時点でかなり期待の持てるシャフトだと言えます。
意図的にヘッドスピードを調整して何球か打ってみましたが、40以下で打っても45以上で打ってもほとんど球のつかまり具合や高さが変わりませんでした。
弾道はドーンと高く打ち出されて落ち際にスッと少し左に落ちてランが稼げる弾道になっています。
シャフトの挙動ですが、切り返し時にヘッドが残るような形で大きめにしなり、すぐさましなり戻りが始まります。そしてインパクトで一度ヘッドがボールに押されてシャフトがしなりますが、瞬時に復元が始まってボールを押し出していく。『ブレイクアウト』はこういったシャフトの4段階の動きが瞬時に速く強く行われていくようなしなり方をします。
だから当たり負けもありませんし、ヘッドスピードの速度に関わらずどんなゴルファーでも飛距離を出すことができるシャフト。他社の高慣性モーメントヘッドとの相性も良さそうです」
【動画】関浩太郎の試打インプレッション
同社営業・プロサポートの西山瑛里那さんによると、
「今作は30g相当の軽量で、振動数的にはRシャフトと同じですが、打つと当たり負けせず強い弾道が出る点が特長です。しっかりしなって振りやすさがありつつ、手元を硬くしたことで軽量の頼りなさを消し、さらに先端のニッケルボロンによりボワンという感じがなくなっています。
女性からドラコンプロまで広い層のゴルファーにマッチするシャフトに仕上がっています。既に初期ロットは完売。入荷待ち状態です。テストした女子プロの反応も良いですね」
コスメもレーヴらしいロック色の強いものになっている。製品名の通り、ゴルファー自らの限界を「壊す」シャフトになっていそうだ。
■製品概要
フレックス/Z1
重量(g)/44g
トルク/5.8
調子/中調子
全長(inch)47
カラー/ブルー、ブラック