セントラル工商はこれまで「キース・へリング」や「アーノルドパーマー」など独自の世界観があるブランドをゴルフ用品として世に送り出してきた。同社が大切にするのはデザインだけではなく、生地の選択からデザインまでを自己完結型で行うこだわりのモノ作りだ。
そして同社は新たに「バンクシー（Banksy）」のグラフィティを使用したアートプロジェクトである「ブランダライズド」を展開するフルカラーブラック社とライセンス契約を結び、バンクシーのグラフィティを使ったアイテムを発売する。
バンクシーの名前をインターネットやニュースなどで聞いたことがある人は多いかもしれないが、彼（彼女）はロンドンを中心に活動する覆面アーティストだ。
文字や絵柄などをくり抜いたシート（型）に、スプレーを吹きかけたりペイントをして転写する「ステンシル」という技法を駆使したグラフィティアートが特徴で、その作品は世界各地の街中でゲリラ的に描かれ神出鬼没であることから見る人を驚かせている。
作風はユーモラスでありながらも鋭い社会風刺的作品であるため時に物議をかもしてきた。2018年、オークションで落札された直後に作品がシュレッダーで裁断されるという仕掛けは、前代未聞のニュースとして全世界で話題になった。また昨年10月にはその作品が再びオークションにかけられ、約29億円で落札されるなど今世界で最も注目を集めるストリートアーティストだ。2018年から世界の主要都市で展覧会が行われこれまで300万人が動員されたという。
用品はこれまで小物やウエアから日本酒まで数多く存在する。そして今回ついに本格的にゴルフ用品にバンクシーの世界が登場するというわけだ。
展開アイテムは現在、キャディバッグ、クラブケース、ヘッドカバー、トートバッグ、アクセサリーを予定している。バンクシーの作品はモノクロのものが多いため、イラストを目立たせるようにあえて白地を採用するという。特にキャディバッグは白いキャンバスの上に描かれたバンクシーの絵を彷彿とさせる出来上がりになる予定だ。
若いゴルファーが増えているが、彼らはファッションへの感度が高く、特にウエア、シューズ、袋物などは他の人と被らないこだわりのものを求める傾向が強い。同アイテムがどう成長していくか注目だ。
