練習器具『ドライバット』で業界参入したアザスゴルフは、2009年に創業した新興メーカー。累計販売本数は50万本を突破しロングセラー商品となっている。その余勢を駆って2011年にはオーダーメイドのゴルフシューズを手掛け、さらにハンドメイドヘッドカバー『SELMO(セルモ)』の国内代理店も務める。2018年にカスタムパーツブランドの『ラズルダズル』、キャディバッグ『A NEWGOLF(アニューゴルフ)』が加わり22年より『A NEW』のアパレルを展開。東京と大阪に直営店舗を出店するなど一気呵成の様相を見せている。
同社では、「5本の矢成長戦略」と銘打ち、ニッチ市場領域での収益拡大を目標に掲げている。これらを実現するため、M&Aも積極的に行う姿勢を見せており、自社製品と他ブランドを展開しながら、 「ニッチ市場を複数のアイテムで攻める」(村田雅久社長) ことで、シェア拡大を狙っている。
年間3000足強を受注アザスオーダーシューズ
少子高齢化が進む近年、ゴルフ用品の市場規模は縮小傾向にある。ところが、その中で伸びているジャンルもある。オーダーメイド市場だ。最近ではオーダーで注文できるシューズも少なくなく、ゴルフシューズをいわゆる吊るしではなく、自分流にカスタムしてあつらえるのが身近になりつつある。
こうした中、注目すべきオーダーメイドシューズのブランドがある。09年にサービスを始めた「アザス オーダーシューズ」だ。オーダーメイドゴルフシューズを1足4万円弱~という手頃な価格で、注文から45~60日程度でつくることができる。
現在では、年間3000足強を受注するまでに成長し、百貨店やゴルフ専門店をはじめ本間ゴルフとのコラボレーションもスタート。約80店舗展開で日夜スタッフがフィッティングへ東奔西走している。同社村田雅久社長に話を聞いてみよう。
「購入者の6割が男性ですが、特に外反母趾に悩む女性は複数購入するなどリピート率が高いのが特徴ですね。シーズンごとに限定革を30色用意して、飽きさせない工夫も凝らしています。ただ、このビジネスは工場のキャパが生命線。月産300足が限界で、これを超えると縫製が雑になり歩留まりが極端に悪くなります。なので、コツコツと着実に進めます」
また、カラーや素材は、多彩なサンプルの中から選ぶことができため、頭を悩ませるユーザーも少なくないとか。そこで、同社ではインスタグラムへ1000点以上のサンプル画像を掲載し、スマホでカラバリをイメージしてもらっているという。
デザインの基本はサドル型やウイングチップ型、スニーカータイプ、チャッカブーツなどがあり、24年モデルからソール素材をゴムからTPUへ変更、新たにハイカットを追加。計8種類から選択ができる。ダイヤル式もプラス3000円でオーダー可能で、スパイクレスも選べるようになった。昨今はスニーカータイプのスパイクレス(3万5000円)のオーダーが好調だという。
また、同社のシューズは機能が満載だ。①防水素材を使用したブーツ工法仕上げのインナーにより水の浸入を防ぐ、②顧客の足型に合わせたオーダー熟成型インソールで確実にホールドし、グリップ力を高める、③熱成型インソールは、消臭抗菌効果に優れるなどの機能がある。 一連の受注システムで陰になりがちだが、「アザス オーダーメイド シューズ」の大きなアドバンテージは、やはりその履き着心地にあるようだ。1日のラウンドで10万歩以上歩くことを踏まえると、ここが最大のポイントに違いない。それを担うのが、先述の熱成型インソール『adjust Fit』(価格:8000円)。単体での販売も行っており、
「当社が販売するインソールは専用の器具を使用し、自分の足型合わせて成型します。個々の足型と同じ足型と同じ形にすることで、確実に足をホールドし、グリップ力を高め、足裏の疲れを軽減します」
カラーリングだけでなく、既製品では味わえない絶妙なフィット感が得られるのが同社の強みといえそうだ。
ラズルダズル『CSP』パターJGFで4タイプ参考出品
昨年、ブランド設立7周年を迎えた『RAZZLE DAZZLE(ラズルダズル)』 からロフト&ライ角調整機能スリーブ(特許出願中)搭載のセンターシャフトパターヘッド『CSP』が投入された。『CSP』はCNC加工を全面に施した軽量のアルミニウムのフェイス&ボディ部と、フルCNC加工を施した比重の重いステンレスウィングソール部の組み合わせによって、深重心と高慣性モーメントを実現したパターヘッド。
センターシャフトは重心距離がゼロのため、重量を感じすぎずに威力を発揮する。また、特許出願中のオーバーホーゼル可変スリーブは自分に合うライ角を65・5度から74・5度まで調整可能でロフトはプラスマイナス1・5度調整することが可能。リング式のため、グリップの向きを変えずに調整することが出来る。専用フィッティングキットが全国で25店舗の工房で既に導入されており、さらに春からの追加導入予定店舗が複数あり独自のパターフィッティングが広がりを見せている。
今ゴルフフェアでは一連の調整機能をさらに拡大、4つのボディ形状を参考出品する予定だ。
ラズルダズルウエッジアイアンをリニューアル
これ以外では、『ラズルダズル』ウエッジを3年ぶりに一新、キャビティコンボアイアン『CCFORGED』は、番手別にキャビティの深さを変え、ロングアイアンへ向かうほどへソールが厚くなる設計で好評を博した。追加機種の『BCFORGED』を参考出品、ブレードコンボの略称で、ややアスリートへ寄せている。ショートアイアンをマッスルバック、#6以降はハーフキャビティの設定となる。
ウエッジについては、ソール幅の広い・狭いやグラインドを変えた3タイプを展開。ラズルダズルウエッジの一丁目一番地であるハイバンスはそのまま継承しつつ、重心の高さを変えた設計を施している点が特筆される。
ラインアップは46度から60度の2度刻みとなるが、カスタムオーダーにより、1度刻みでオーダーもできる。また、ライ角(±3度、0・5刻み)、バウンス(+3度~-6度、0・5同)、FP(+1㍉~-2㍉、0・5同)、重量(+3g~2g、1g同*公差±1・5g)に加え、仕上げもサテンメッキ、ノンメッキ、黒染め、ブラックボロン、DLCから選択が可能。
さらにフルスコアラインをはじめ、刻印色入れ、オウンネーム彫刻にも対応する。