ウエア&アクセサリー2021

ショールーミングストア

スタッツ

2021/03/31

ゴルフ場のアパレル販売を変える 「ショールーミングストア」という在り方

メーカーと卸業態での新たなOMO

立野クラシックGC

いきなりだが、「OMO」という言葉をご存じだろうか? これは「Online Merges with Offline」の略で、一言でいえばオンラインとオフラインの融合。アパレル業界にあてはめれば、「ショールーミングストア」がわかりやすい。実店舗をショールームのように「商品を見て触って試す」場と定め、WEBやアプリにて商品を購入してもらう業態で、今後新しい販売方法として急速に広がっていくといわれている。

しかし、この販売方法の多くは、メーカーの直営店を使い、メーカーのオンラインショッピングで完結させるため、卸売業態には適さないシステムだと言える。

そこで新たな販売方法を卸売業態として提案するのが、スタッツのゴルフ場向け「ショールーミングストア」だ。

さわって、試して、在庫情報を確認してゴルフ場で決済する

4ブランドのゴルフアパレルを展開するスタッツは今春、ゴルフ場におけるゴルフアパレル販売に新たな手法を提案している。それが「ショールーミングストア」だ。

これはゴルフ場のショップをショールーム化する発想で、ゴルフ場は商品サンプルを、見やすくきれいに店頭に並べ、購入者は気に入った商品があれば、ゴルフ場のスタッフに伝え在庫をWEB上で確認、その場で決済し、メーカーの倉庫から直接購入者の自宅などに送ってもらう。

メリットは、商品が少量でディスプレーされているため、見やすく美しい店づくりができ、何よりショップ内に在庫を抱える必要がないため、在庫負担・管理の軽減がなされることだろう。

初期段階でのコストは1シーズン毎に仕入れるサンプル40~60SKU(最小管理単位)とトルソー1体、ハンガー40~60個分だとか。

少量・小規模で低予算。サンプルはコストに近い価格で購入できるので、シーズンが終わればコンペの景品や社内販売で消化すればいい。無駄な在庫の抑制は、SDGsで提唱する「節度ある生活」につながってくる。ハンガーやトルソーの購入を推奨するのは、ゴルフ場のグレードにあったハンガーやトルソーが配置されていないところが多いからだ。

デメリットは、決済はその場でするものの、商品が持って帰れないこと。しかし、その日使いたい帽子や防寒グッズなどと違い、ゴルフ場でのアパレル商品は当日使用で購入することは少ないので、後日、自宅などに新しい商品が送られてくるのはかえってメリットとなる。

3月にカレドニアンGC(千葉県山武市)、立野クラシックGC(千葉県市原市)、グレートアイランドC(千葉県長生郡)でスタートし、全国のゴルフ場へと続く予定だが、そもそもゴルフ場でのアパレル販売の問題点は何なのだろうか?

ゴルフ場が受け皿に在庫問題は解決される

ゴルフアパレル企業側から見れば、ゴルフ場は専任の売場スタッフがいないところも多く、いても専門知識が必要とされるアパレル商品は扱いにくく、積極的に売場を確保しようとする場所ではなかった。

一方、ゴルフ場側からすれば、ボールやグローブといった必需品の販売は安定しているが、アパレル商品はシーズン毎の展開で、商品知識や売場づくりのノウハウなどがないと扱っても在庫として負担となる。そのため、ゴルフ場におけるアパレル展開は百貨店やゴルフ専門店に比べ、不十分であったといえる。

コロナ禍による急速なライフスタイルの変化は、消費行動も変化させ、わざわざ密になりやすい都心の商業施設とは疎遠になり、ゴルファーにとって身近なゴルフ場はその受け皿となるチャンスだと捉えることができるのだ。

「密」を避けるゴルフ場という場所で買いものを楽しみ、ゴルフ場は在庫負担が軽減されながら収益を確保できる。それがスタッツの提唱する「ショールーミングストア」であり、そしてそれはウィズ・コロナにゴルフ場でのアパレル販売に大きな変革をもたらす新たなシステムであることは間違いない。


スタッツ

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