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RUGBY World Cup 2019 Medals

ヤマト徽章

2020/04/21

昨秋に日本で初めて開催された「ラグビーワールドカップ2019」は、日本代表の活躍もあり大成功で幕を閉じた。男同士の荒々しいぶつかり合い、そして勝った負けたではないラグビー特有の「ノーサイド」の精神に心を強く打たれたファンも多ったはずだ。

 

そんな世界最高峰の戦いを繰り広げた代表チームの栄誉は、永久に語り継がれるものとなるが、チームに贈られたメダルは日本大会に相応しいものだった。今大会のメダルは、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会の依頼により、以下の6者のジョイントベンチャーで受託・製作された。

 

  • 人間国宝 吉田美統(みのり)/錦山窯(きんさんがま)●株式会社東京カップ●ヤマト徽章株式会社●一般財団法人大日本蚕糸会●株式会社龍工房(りゅうこうぼう)●株式会社東急エージェンシー(受託者)

 

金・銀・銅メダル 桜+ライジングサン

 

金・銀・銅メダルの原画と総監修は吉田美統氏が引き受けた。金箔の薄箔・厚箔を重ねて遠近を表現する「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」といわれる吉田氏の技術は、2001年に人間国宝に認定されたもの。

 

 

メダルの表面にはウエブ・エリス・カップを置き、日本を象徴する要素から作成された「ラグビーワールドカップ2019」のデザインである「UNITY GRAPHIC/rising sun」(富士山の山頂に日が昇るデザイン)に重ねている。メダルの裏には、大会の「イベントマーク」を 中心に置き、吉田氏の描いた「さくらの花」がこのマークを祝福す るように縁どられている。このデザインを肉彫りという製造技法で立体的に仕上げている。

 

また、リボンの取り付け部には、富士山にゆかりが深い神社の鳥居のイメージを形にした。メダルの「リボン」は、今年「現代の名 工」に認定された東京都伝統工芸士の福田隆氏が作成し、耐久性と伸縮性を重視した純国産の組紐(くみひも)で作成された。組紐は日本では貴族の束帯や武具の一部、高級な茶道具の飾り紐などにされてきた。純国産シルクは、現在の日本で使われている絹の0・ 38 %しか生産されていない。 今回は、一般財団法人大日本蚕 糸会の呼びかけにより、開催都市である熊本県、埼玉県、岩手県 を含む国内の生産者からの協力をもらい、100%国産絹での製品が可能になった。

 

 

「人々の喜び・感動をカタチに」

 

このメダルの作製にあたり、ヤマト徽章は今まで培ってきた伝統と技術を惜しみなく注ぎ込んだ。同社の理念である「人々の喜び・感動をカタチにする」という精神が、ラグビーワールドカップ2019という世界規模の大会のフィナーレを彩った。同社は今年2月で創業 99 年を迎え た。来年はいよいよ100周年である。モノ作りで人の「生きがい」と「進歩・向上」に寄与したいという同社の精神は、今後100年に向かっても一切揺らぐことはないだろう(編集片山三将)。


ヤマト徽章

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