ニコン イメージングジャパンは昨年、『COOLSHOT』（クールショット）シリーズから、最新のレーザー距離計を一挙に4機種発売した。同社がこれだけのラインアップを同時に市場投入するのは初めてのことで、百花繚乱の距離計市場にニコン包囲網を張る構えだ。そこで、距離計マイスター「くわっきー」こと桑木野洋二氏がゴルフ場で4機種を使用。その性能を解説する。
【動画】『COOLSHOT』4機種をゴルフ場で一挙にテスト
くわっきーが4機種をゴルフ場でテストし徹底比較＆解説する。動画で観てもらいたい。
桑木野 レーザー距離計のリーディングブランドの一つであり､日本を代表する光学機器メーカー、ニコンのレーザー距離計『COOLSHOT』が最新モデルで明確なメッセージを発信した｡
これまでの｢COOLSHOT｣は､五月雨式に価格帯と機能の異なるモデルを発売していた｡発売時期をずらすことで製造もコントロールしやすい｡営業的にもPR的にも､新製品効果が毎回得られる｡
だが､今回は一斉にモデルチェンジし､ラインナップを3種類から4種類へ拡充した｡その機会を捨ててまで､プロダクトブランドを明確にした一斉フルモデルチェンジを敢行｡強い意志が感じられる｡社内調整は大変だっただろうなと推察する｡リーディングカンパニーゆえの危機感もあったかもしれない｡
｢COOLSHOT｣シリーズは全てのゴルファーが対象であることを伝え､｢Nikonを選ぶことがベスト!｣と全ゴルファーに向けて強く発信した｡
4ラインナップの特徴
ゴルファーの技量に関わらず､事前に打つべき距離を正確に把握できると､状況に応じたクラブ選びに迷いがなくなる｡自信を持ってショットに臨めるから､良い結果につながりやすい｡新しい｢COOLSHOT｣シリーズの4ラインナップは､機能や価格に明確な違いを出し､ゴルファー自身のプレー志向や価値観を元に､最適なレーザー距離計が選択できるようになっている｡
■PROⅡ STABILIZED
便利な機能が満載のシリーズ最高峰モデル｡サブネームの｢STABILIZED｣は､ニコンのレーザー距離計の代名詞､手ブレ補正機能｡手振れによるファインダー内の視界の揺れを1/5以下に低減((㈱ニコンビジョン測定条件による)しつつ照射するレーザー光のブレも補正する優れものだ｡
他社製品との優位性をもっとも感じる機能であり､小さな目標物も正確に計測できる｡ファインダー内の表示は､自動調光機能が付いた赤色の表示で見やすい｡さらに｢Dual LOCKED ON ECHO｣機能がピンフラッグを正確に捉え､測定できたことを緑色のサインとともに電子音で教えてくれる｡とにかく速く､正確だ｡
■LITE STABILIZED
今回､新たに加わったモデル｡手ブレ補正機能の｢STABILIZED｣を装着｡ファインダー内の表示は黒色になる｡ピンフラッグが測れたことを知らせる｢LOCKED ON｣でも黒色のサインで知らせてくれる｡文字は赤色か､黒色か､好みによるので､｢PROⅡ｣との検討比較の材料にはなる｡サイズもやや小さく､軽くなり､高機能を維持しながらも使いやすさを重視した高コスパモデルだ｡
■50i
白のイメージが強い｢クールショットシリーズ｣で唯一､ボディーカラーにライトシルバーを採用｡タフな見た目と合わせて､ボディー側面にマグネットを内蔵していることが特徴だ｡ラウンド中､ゴルフカートに本体を貼り付けることができ､さらにショット後､アイアンヘッドにくっ付けて拾い上げられる｡手振れ補正機能はついていないが､｢LOCKEDON｣では赤色の文字と振動で知らせる便利な機能が搭載されている｡
■20iGⅡ
もっともシンプルに､価格を抑えたエントリーモデル｡ただし､前作まではコースの高低差は計測できなかったが､今回のモデルチェンジで｢ID TECHNOLOGY｣機能が加わり､コースの勾配を読み取り､打つべき距離の目安を教えてくれるようになった｡手に取ると軽さに驚く｡重量はわずか約130g｡サイズもひと回り小さく､初めてのレーザー距離計には最適なモデルだ｡
筆者なりの｢COOLSHOT｣の優れた点を3つ上げてみる｡
・優れた機能とブランドの信頼
・実戦向きのコンパクトサイズ
・4タイプから最適な選択
日本を代表する光学機器メーカーらしい繊細さを持つ､最新のレーザー距離計は､今の時代に相応しい魅力ある商品だった｡ゴルフを楽しむ大切なゴルフ用品として､自分のスタイルにあったものを全てのゴルファーに愛用して欲しいと願う｡
