2025DX/デジタル

EnonoGolf

アビックシステム

2025/03/26

「VRゴルフ」に企業が注目!『EnonoGolf』が担う事業拡大&地方活性化戦略

近年、「VR」「AR」「MR」を総称した「XR」が注目され、ビジネスでも活用されている。しかしゴルフ業界ではこれまで、XRの活用が進んでいなかった。

そんな中、アビックシステムは3月より、VRゴルフシミュレーター『EnonoGolf』(エノノゴルフ)を本格展開する。専用のVR機器を使い、仮想空間で練習やラウンドができるため、ゴルフの敷居を下げるだけでなく、ゴルファー創出に寄与しそうな製品だ。

しかし興味深いのは、このソフトが今、様々な企業に導入されているということだ。『エノノゴルフ』が企業から支持される理由はどこにあるのだろうか?

抜群の没入感と手軽さで企業の社内ゴルフを活性化

『エノノゴルフ』は、Meta社が開発した「Meta Quest 3」(メタクエスト3)というVR機器にアプリをダウンロードし、頭に着用してプレーする。実際にVRヘッドセットを着用すると、一瞬で目の前がリアルなゴルフ空間に変わってしまう。市販のメタクエスト3専用ゴルフクラブ型アタッチメントに装着したコントローラーがクラブの役割を担っており、実在のクラブを持っているような感覚に陥るから驚きだ。インパクトはバイブレーションと打音で表現しており、まるで実際のゴルフ場や練習場でプレーしているかのようだ。さらに、練習モードやスイング分析、実在コースのラウンドモードや、オンラインでの複数人プレーなど、豊富なモードを用意している。まさにゴルフの入門や、一般ゴルファーの練習用に最適な製品だ。

一方、同製品の法人利用に可能性を見出したのが、『エノノゴルフ』の総販売代理店を担う、NTTデータ九州だ。同社の友永英機氏、野口広志氏、武藤敬大氏の3氏がその経緯をこう語る。

「当社グループは元々、XR・VR事業に注力してきました。スポーツ分野では、『V-BALLER』というVRの野球トレーニングシステムを提供しており、MLB、プロ野球、高校・社会人野球での導入実績もあります。そんな中、多くの企業からVRゴルフを作れないかという相談があり、企画に向けて動いていた時に、『エノノゴルフ』のことを知りました。中身も含め非常に可能性を感じ、当社からアビックシステムさんにコンタクトを取ったのが始まりです」(友永氏)

「その後、当社でも購入し、新入社員の内定懇親会や社内のクリスマスイベントで活用したところ、非常に盛り上がりました。これは他の企業でも有効活用できるのではないかと考えたのです」(野口氏)

多くの企業では、取引先や社員同士のコミュニケーションツールとしてゴルフを活用している。しかし、バブル時代と違い、社員にゴルフを強制することはできず、社内でゴルフを教える環境も作れない。ビジネスに有用だと分かっていても、社内ゴルファーを増やしにくいのが企業の現状だ。一方、『エノノゴルフ』を導入すれば、そういった心理的・時間的な障壁も解消でき、楽しみながら無理なく社内ゴルファーを増やせる。その後の練習場やインドア、ゴルフ場への導線も描きやすいと考えた。

『エノノゴルフ』の 導入事例

エノノゴルフ

その考えは的中し、企業や自治体からの引き合いも多く、現在4社に導入されている。

「導入企業の一つは、福利厚生として休憩室に設置し、リフレッシュや社員同士のコミュニケーションに活用しています。ある企業は来客用の展示室に設置し、取引先の満足度向上に繋げています」(友永氏)

VRを掛け合わせることで、ゴルフが人と人、企業と企業の繋がりに寄与した好例と言える。

「また、地域の公民館などに設置することで、公共施設の利用促進、地域コミュニティの活性化、住民の運動不足の解消にも繋げられると考えています」(武藤氏)

さらに、あるフィットネスクラブでは、ゴルフカリキュラムを新設し、そのトレーニングメニューの中で『エノノゴルフ』を活用しているというから面白い。

「実際のゴルフクラブだと、なかなかボールに当たらず、挫折してしまうことが多い。まずは『エノノゴルフ』でボールが飛ぶ楽しさや爽快感を体験してもらい、将来的に実際のゴルフデビュー繋げるという狙いで導入いただきました」(野口氏)

この事例はインドアや練習場でも活用できそうだ。例えば、初回の体験レッスンで、まずは『エノノゴルフ』を使い、ゴルフの楽しさに触れてもらえれば、入会の敷居を下げることもできる。またはスクールのカリキュラムにVRラウンド体験を加え、変化のあるプログラムにするなどもできそうだ。他にも、学校のゴルフ授業での実技利用や、高校・大学ゴルフ部でのスイング分析にも使える。

ゴルフ企業とも積極コラボ『エノノゴルフ』で広がる可能性

さらに同社は今後、具体的な『エノノゴルフ』の活用法を訴求していく。一例として、「マルチプレイ」モードを活用したオンラインコンペや、企業名を冠にしたVRカップなどの開催だ。

「企業を冠にしたコンペや大会も、VRなら低予算で実施できます。例えばコース内に協賛企業の看板を設置するなどもVRなら瞬時にできるので、企業のPRにも有効です。自治体の観光誘致施策にも活用できるのではないかと考えており、VR内で観光地を再現してゴルフ×観光を実現できるような取り組みも検討中です。」(友永氏)

さらにゴルフ業界企業とも積極的に協業していく構えで、

「クラブメーカーの最新クラブを使ってVR内でプレーし、実際のレンタルや購入に繋げることも考えています。構えた時のクラブの顔や打音は再現できますし、最新クラブを使っての仮想プレーもできると思います」(友永氏)

最新クラブを試したいけど、レンタルや試打に踏み出せないというゴルファーも多い。「VR試打」が実現できれば、メーカーや販売店も未開拓の購買層との接点が持てる。近い将来、ショップ、ECに加え「VR」がゴルフ用品販売のツールとして加わるかもしれない。

ゴルフ場の来場者アップに

さらにアビックシステムは、『エノノゴルフパーソナル』として、一般ユーザー向けに同アプリの無料提供も開始(無償版と企業有償版では機能〈コース・練習機能等〉に差があります)。ゴルファーからのフィードバックを元に改良を加える一方、ラウンドできるコース数も順次増やしていく予定だ。現時点の収録コースは計7コース(2025年2月時点)だが、同社では現在、ゴルフ場のコースを無料で収録する取り組みを行っており、全国のゴルフ場に広く呼び掛けている。VR上でコースをプレーしてもらうことで、実際の来場に繋げられるメリットがあるため、特に集客に苦慮する地方のゴルフ場などには朗報だ。もちろん『エノノゴルフ』と連動した様々な施策もできるだろう。

ついにゴルフ業界にも本格投入されたVR商材。次世代ゴルフ『エノノゴルフ』で、ゴルフ業界のみならず、他業界のビジネスの可能性がさらに広がりそうだ。

『エノノゴルフ』モード紹介

エノノゴルフ

■「練習場」モード
スイング分析:目の前に自分のクラブ軌道を表示し、効果的に練習可能
弾道種別ガイド:ドロー・ストレート・フェードのクラブ軌道ガイドを表示
ボリュメトリックスイング再生:プロのスイングをVR空間で再現
スイングトレース:プロのスイングに合わせて理想のスイングを再現

■「ラウンド」モード
フォトグラメトリ技術で忠実に再現した実在コースをプレー可能。

■「ゲーム」モード
風船割り: ドライバーで風船を打ち抜く爽快モード
ビルディング: ビルの屋上から別のビルにアプローチショット
ドラコン
ニアピン

■「マルチプレイ」モード
遠隔地のプレーヤーと複数人同時のプレーができる

人気レッスンプロ HARADA GOLF・原田修平氏も体験

原田 『エノノゴルフ』を初めて体験しましたが、コースの傾斜も含めて非常にリアルで驚きました。初心者にはクラブがどういう風に動いているかが分かりやすく入門に最適です。特に『マルチプレイ』モードは会話もできるので、オンラインでのラウンドレッスンや、プレー中の立ち振る舞いの指導など、色々な活用ができそう。未来を感じる体験でした。


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