群雄割拠のグリップ市場へ映文舎ゴルフ事業部が新規参入して早1年が経過。『LADAR GRIP(ラダーグリップ)』(1800円)がそれで、エラストマー素材を採用。背面の溝が「はしご型」になっているのが特長だ。
多くのアマチュアゴルファーはスイング中、「抜ける」ことへの恐怖心から、グリップを必要以上に握ってしまう。そこでラダーグリップは視覚的にも「抜けにくい」と感じさせるデザインにすることで、やさしくソフトに握ることを促している。
『ラダーグリップ』は、スタンダードモデル(47g)、軽量のライト(42g)をラインアップ。両モデルともM60・M58があり、内径の識別がエンドキャップのデザインでできるのもうれしい。バックラインあり、無しはもちろん、カラーはブラック・ブルー・レッドの3色展開となる。
以下、ギアに詳しい永井延宏プロに検証してもらった。
■LADER GRIPスタンダード バックライン有り
永井 エラストマー素材の吸い付く感じがグローブをしていても伝わってきます。右手も馴染み、確かにラダー部分に指が引っかかります。バックライン有ですが、小指がしっかりコンタクトしてくれるので、クラブの重さをしっかり感じながらスイングできました。スイング中もタイミングがとりやすい。
■LADER GRIPスタンダード バックライン無
永井 60、58両方ありますが、ウエッジでテストしてみました。バックラインはありませんが、しっかりホールドしてくますね。左手の小指から伝わってくる情報は、バックライン有と同様で、これは「ラダー形状」の影響が大きい。ウエッジらしいバリエーションといえ、クラブを開いたり、閉じたりした時でもフェースの向きを感じやすいと感じました。つまり操作性に優れるグリップといえます。
■LADER GRIPライト60・58 バックライン有り・無
永井 カーボンシャフト装着のアイアン用に42gの軽量タイプ『ライト』を用意。60・58の2タイプを打ちましたが、全体のバランスは軽量シャフトの性能を一切邪魔していません。他社品には、同モデルでグリップを軽量にすると細くなったり、長さが短くなってしまうモノがありますが、『ラダーグリップ』はサイズをしっかりキープ。
軽量で肉厚感があるグリップを求める方には「ライトM58」がお勧め。フェース向きを感じやすいので、クラブのトータルバランスを崩さずに、情報が伝わってきます。カーボンシャフト愛用のシニアゴルファーへ『ラダーグリップ』を推奨すれば、バランスを変えずに交換が可能です。
総括すると、指にひっかかる感じが秀逸なのでフィンガーグリップで握る方には特にお勧め。
クラフトマンのテクニックが活かせる『ラダーグリップ』
ラダーグリップのコンセプトとして、工房のクラフトマンの技術を引き出す、というのがある。その販売方針について、製造元の担当者が次のように話す。
「『ラダーグリップ』は派手なカラーやデザインを重視するのではなく、確かな性能、落ち着いたデザインを好む硬派なゴルファー向けの商品と認識しているので、工房での販売を強化します。また、委託販売や商品の貸し出し、キャンペーンなど、新規導入時の工房側のリスクを軽減する企画を提案していきます。
工房はグリップ本体だけではなく、工賃も売上に計上できるので、積極的にバックアップしWinWinの関係を築いていきたい。興味がある工房は是非連絡をお待ちしています」
と話している。