都内を中心にインドアゴルフレンジが出店しており、24時間無人で練習できる空間が増えてきた。とは言え大抵の施設は月額制の会員登録が必須で、一日の利用時間に制限があるなど完全自由とはいかない。
「好きな時に好きなだけ練習できる場所がほしい」。
ゴルファーなら誰しもそんな夢を抱くと思うが、それを実現するのがダン:サイエンスから発売中の『G_BASE』(ジーベース)というプライベートゴルフ空間だ。昨年3月にショールームをオープンするや否や口コミで話題になり、現行モデルは即完売。さらに同社は今夏より、新型2モデルの発売を開始予定としている。
はたして『G_BASE』とはどのようなものなのだろうか? その「秘密基地」の全容を公開する。
トラック1台で搬送&即日設置
現行の『G_BASE』最大の特徴はコンテナ型の躯体構造になっている点にある。つまり通常の建築物とは異なり、希望の場所までトラック1台で部材一式を搬送し、現地で組み立てて設置することができる。設置場所は自宅の庭やオフィスの駐車スペース、空き地など、車2台分のスペースさえあれば可能なので、手軽にゴルフ空間が作れるというわけだ。
基本セットでその日から使える
現行モデルの基本内装費用500万円(税込550万円)の中には、吸音仕上げ、防球緩衝材、正面ネット、人工芝、スタンスマット、ショットマット、電気・エアコン、レンジボール100球、ボールバスケット、ボールキーパーが全て含まれるため、その日から練習が可能だ。(建築確認申請費、躯体移送・設置費、外構基礎工事費等は別途必要。)
強度&騒音も心配なし!全天候型のゴルフ空間
強度が心配になるが、横から2tの力をかけても問題ないことを耐久試験で実証済み。また、インパクト音も気になるところだが、特殊な吸音仕上げを施しているため、外に漏れる音はわずか60デシベルとほとんど聞こえないレベルだ。室内はエアコン完備で季節や天候に左右されない空間だ。
充実のオプション
さらにオプションでプロジェクターやスクリーンのほか、『トラックマン』や『GCクアッド』などの弾道計測器や各社ゴルフシミュレーターの設置も可能。ショットマットも直接ティーアップできるタイプのものや、アプローチ用の天然芝などにも変更できる。またセキュリティ対策として、スマートロックや防犯カメラ、二重サッシも設置できるなど至れり尽くせり。スクリーンでは映画やYouTubeなども楽しめるためホームシアターにもなる。利用シーンは無限に広がりそうだ。
外装ラッピングにも対応
外装は自分好みのデザインに変更可能。法人であればラッピング広告などの商用利用もできそうだ。
千葉県2か所にショールーム登場
昨年には千葉県2か所(印西市、市原市)に現行モデルのショールームが登場。実物を見ながら検討することができる。さらに今年中には茨城県に新型のショールームが誕生予定。
進化する新型2モデルとは?
さらに同社は今夏、新型の『G_BASE』2モデルを発売する。一つは『S002』というモデルで、現行モデルでは難しかった、奥行きの変更にも対応する。これによって個人では仲間を集めたシミュレーションラウンドやパーティーなどのレクリエーションスペースとして、商用としては例えばクラブフィッティング兼工房、スイングとトレーニングの複合型レッスンなど、より幅広い利用ができる。さらに同モデルは一度設置した後でも再度分解して移動も可能に。ゴルフメーカーの移動型試打会&フィッティングスペース、ゴルフシミュレーターメーカーの展示会やイベント用ブース、人気レッスンプロのレッスンツアーなど、ゴルフ関連企業の可能性が広がりそうだ。
もう一つは『SH002』というモデル。こちらは『S002』のハーフサイズで、主にレンタル用として今夏より展開を予定している。
QPこと関雅史プロがアンバサダー就任
同社はクラブフィッター兼PGAティーチングプロのQPこと関雅史氏とアンバサダー契約を締結。メディアでも活躍中の関プロと一緒に『G_BASE』を盛り上げていく。
関雅史プロ
「以前から専門性を持ったインドア空間の必要性を感じていた時に『G_BASE』の存在を知りました。『練習環境の違いによるハンデをなくしたい』という西尾社長の考えに共感し、私も一緒に『G_BASE』を広げていきたいと考えています。私は『G_BASE』によってレッスンの可能性が広がると思っています。というのもよく教え子からスイング動画が送られてくるのですが、どうしても動画だけだとスイングの速度感や力感が100%は分からないので、もどかしく感じていました。ですが『G_BASE』なら測定器やPCに遠隔でログインして、スイング動画とデータを併せて見ることができる。よりリアルに近い遠隔レッスンができると思います」
ダン:サイエンス 西尾考弘社長
「10年以上前、クライアントがスポンサーを務めるジュニアゴルフ大会の手伝いで北海道に行った時に、出場者の親御さんから『北海道は1年の半分は雪でまともな練習ができない』と聞く機会があり、何とかできないだろうかとずっと心に引っかかっていました。そんな練習環境のハンデを埋めたいと思ったのがこの事業のきっかけです。『G_BASE』ならゴルフの敷居も下げられるし、身体に障害があるためにゴルフができないという方の助けにもなれるかもしれない。将来的には『G_BASE』を活用したバーチャルゴルフのインフラを整備し、ARやMRなどのデジタル最新技術を使った次世代型ゴルフレッスンの提供をしていきたい。そしていつか『G_BASE』で育ったプロが世界で活躍する姿を見るのが夢ですね」