今やレーザー距離計は群雄割拠の時代に突入しており､様々な機能が追加されている｡しかしレーザー距離計で最も需要なことは､ファインダーを覗いた時の鮮明さと､正確かつ速い距離測定の2点に集約されるだろう｡そこに徹底的にこだわって開発されたのが､ビクセンから発売中のレーザー距離計『VRF1000VZ』(税込3万800円)だ｡
同社は天体望遠鏡のシェアが日本1位かつ世界3位の総合光学機器メーカーで双眼鏡も得意分野｡特に天体観測は夜空に浮かぶ淡い星の光を見るもの｡製品の特性からして｢見る｣技術に精通したメーカーだということが分かるだろう｡
実際に『VRF1000VZ』を覗いてみると､まず映像の鮮明さに驚愕する｡一般的なレーザー距離計に見られる黄色がかった見え方が一切感じられず､透明感のある視界が広がる｡その秘密はレンズだけでなくプリズムまでマルチコートを施している点で､曇りの日や朝方､日が陰りだす時間帯に抜群の威力を発揮する｡
さらに従来モデルよりもピントの合う範囲を広く設計しているためプレー前に1回ピント調整を行えば､その後の調整の必要はない｡この辺の細かいこだわりはまさに天体望遠鏡日本一の意地とプライドが注入されていると言える｡さらにツアープロの意見を反映しメガネやサングラスを付けたままでも見やすいようにファインダー内の測定情報を中央下部に集め､一か所で情報を取れるように工夫した｡
そして実際に測定してみると驚くほど反応速度が速い｡特に背景に木々があるケースでピンを測る時に､背景を誤認識することもなく即座に距離が表示されるため､最も測定速度と精度を体感できる｡これに関しては､同社独自のノウハウで内部のソフトウエアを微調整し､最短約0.3秒で測定できるようにしている点が大きい｡測定可能距離も最大1000mと十分な性能だ｡
ほかにも競技使用を想定し高低差モード以外ではライトが点灯する仕様や､急な雨や土埃環境でも安心のIP54基準をクリアした防水・防塵仕様､対物レンズと接眼レンズに水切れの良い撥油コートを施している点など｢見やすさ｣を重視した工夫は枚挙にいとまがない｡同製品はつるやゴルフや有賀園ゴルフでも取り扱いをしており､販売店にも広がりを見せている｡
