2025クラブ・ボール

トライプリンシプルパター

トライプリシンプル

2025/03/26

2026年春『トライプリンシプルパター』復活

2013年8月、ゴルフクラブメーカーであるヨネックスから発売されたのが『トライプリンシプルパター』だ。1メートルのパットが90%以上の確率で入るという謳い文句で、ツアープロが続々と使用した。その『トライプリンシプルパター』が2026年春に蘇る。『トライプリンシプルパター』を開発したのは福岡大学の名誉教授であり医師・医学博士の清永明氏だ。一体何者なのか? その『トライプリンシプルパター』が生まれた経緯、そして「トライプリンシプル理論」とは? その序章に触れる。

開業医の家に生まれ心筋心膜炎後のリハビリ目的でゴルフ

1949年8月19日、熊本県で開業医の家に生まれる。幼少時から何にでも興味を示す好奇心旺盛で、開業医である父の所蔵本を読み漁った。少年期は後継ぎとして当然の如く、医学部を目指すが、高校生時代にリウマチ熱による心筋心膜炎を患う。

「2年間の闘病生活を経て幸運にも福岡大学の医学部に合格したんです。父は『医者には体力が不可欠だ』といっていて、心臓が悪くても体力の回復と向上を図るべきだと。激しくない運動としてゴルフを始めたのです。道具はキャディさんが持ってくれる。歩けばよいということで」

医学部学生なので大学ゴルフ部とは別の医学部ゴルフ愛好会に所属。ゴルフを始めて2年3か月で九州学生王者を奪取。それを含め3連覇を遂げる。心臓に負担をかけないよう方向性重視のプレースタイルがベースとなった。

「最初の九州学生選手権で50cmのパットを外したんです。芝目を読めなかった。ただ、医学部生ですから教わる暇もなく、効率良く上達しなければならない。そこでゴルフ本を読み漁ったんです」

それは清永氏は医学を学ぶのと同様に先行文献を調べて分析した。ゴルフ本には共通点と独自性があった。時間が無いが故に、共通点を手本に効率的な練習を少しだけ行った。

その後、大学院に進み、39歳の時、当時の体育学部(のちのスポーツ科学部)の大学院設立時のスタッフにリクルートされた。清永氏は医学部の講師から体育学部の助教授、翌年には教授に就く。医学、そしてスポーツ科学の分野での学者であり医師でありながら、ゴルフの元九州学生王者として、稀有な存在となった。それゆえに、様々な出会いがあった。そのひとつが当時福岡市内にあったゴルフショップで地クラブ屋の「コーシン」だった。

『トライプリンシプル』の原型岩田屋からヨネックスへ

探求心が強い少年時代の清永氏は、長嶋茂雄を参考にバッティングの極意を会得し少年野球で活躍し、水泳の自由形もテレビで日米対抗戦を見て横呼吸を観察し習得した。いわゆる動作分析で、スポーツではアスリートの動きを観察、または書籍から学び、医療では論文からはもちろん先輩医者の巧みな技術も学んでいった。

そのような物事へのアプローチはゴルフでも同じ。そのようなアプローチから生まれたのが『トライプリンシプルパター』の原型だった。

「『コーシン』はオリジナルのドライバーやアイアンを製造販売していました。そこの社長を紹介され、『トライプリンシプルパター』の原型のパターを販売することになりました。それなりに売れたかなと思います」

それから10年の時を経て、『トライプリンシプルパター』の原型のパターを修理したいというゴルファー(尊敬する先輩医師)が出現。工場に修理を依頼したのだが、その工場から改めて『トライプリンシプルパター』を製造したいとの要望が舞い込んだ。

「原型の設計図を元に試作品、プロトタイプを作って、販売するためにR&Aに提出した」

そこで生まれたのが『トライプリンシプルパター』だった。福岡の百貨店「岩田屋」での販売予定の話が進行。それを傍目で見ていた百貨店「井筒屋」からも声が掛かる。そして、その評価の高さを知ったヨネックスから声を掛けられ2013年にヨネックスから『トライプリンシプルパター』が発売される。

そのコンセプトは方向性を重用した理論で、「スクエアに構えるための長方形の形状」「スイートエリアの拡大」「飛球線に対して入射角と出射角は1:1」というものだった。

「トライプリンシプル」とは3つの原理ということ

モデル名『トライプリンシプルパター』の由来は、「3つの原理」というものだ。先述の通り、『トライプリンシプルパター』の最大の目的を方向性、つまり「ボールの直進性の向上」と定めて、「スクエアに構えるための長方形の形状」「スイートエリアの拡大」「飛球線に対して入射角と出射角は1:1」と定義している。

基本は物理の法則にしたがった定義だが、それぞれは非常に難解で簡単に説明できない。

例えば、スクエアに構えるための長方形のヘッド形状は、

「まずボールの直進性を高めるアドレスとして、ターゲットに正対している長方形のヘッド形状が最適と判断していています」

というが、それだけではない。パターはシャフトがヘッドのフェース面近くに装着されるため、重心がフェース面に近くなる。するとヘッドの慣性モーメント値は低くなるので、ヘッド形状は後方に伸びる横幅の広い長方形にならなければならない。同じ長方形のブレードタイプでは「トライプリンシプル理論」は完成しないなどだ。

ということで、今回を含め1年をかけて数回にわたり『トライプリンシプルパター』の極意に触れていく。乞うご期待。


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