インドア施設が雨後の筍の如く出現している。その中で「インドアゴルフ場」と謳うのが会員制インドアゴルフ場「Lounge Range」。身近な場所でクラブライフ、メンバーシップを過ごすことができるのだ。その「Lounge Range」のFC 店が急速に拡大している。ビジネスライクではないオリジナルの思想が新たなゴルフシーンを創っていく。
ゴルフをもっと、あなたのそばに 個の時間と空間を楽しむ
2020年6月、品川区大井町(東京都)に第一号店が誕生した「Lounge Range」。それはこれまでのインドア施設と異なり、贅沢な個の空間。1つのブースのみの完全プライベートの空間。それが「Lounge Range」だ。同社の古川真一社長が説明する。
「誰にも邪魔されず練習に没頭する。または 空間や時間を楽しむ。そのような贅沢な『インドアゴルフ場』を私自身が作りたかった。 それが『Lounge Range』の始まりです」―。
第一号店は2020年6月にオープン。インドア施設ながらメンバーシップのクラブライフを楽しめる場として、そして身近 に感じられる空間として「Lounge Range」は軌道に乗る。そして 2020年11月に六本木店が開店。
「その頃から問い合わせが相次ぎ、2021年4月にフランチャイズ展開をスタートしました」
その後、2022年2月末時点で直営店を含め、25 店舗まで増加。3月にも3店舗 オープンし、現在もFC加盟への問い合わせが相次いでいる。
「Lounge Range」の最大の特長は、そのラグジュアリーな空間と誰にも邪魔されないシステム、そしてメンバーライフを楽しめるコンセプトだろう。それ故に、1ブースでの24時間無人運営の施設でも成功しているといえる。
悠久の時を贅沢に過ごすラグジュアリーの意味
古川社長が語気を強める。
「ラグジュアリーのイメージは、長年沖縄で仕事をしていた関係もあり、高級リゾート ホテルをイメージしています。何もせずに時間を、そして空間を楽しむ利用者もいれば、アクティビティーや観光を満喫する旅行者もいると思います。それがゴルフに置き換わって、ゴルフを語らう場所として時を過ごすか、熱心に練習するか。お客様それぞれの贅沢な時間を過ごして頂くことが、『Lounge Range』のラグジュアリーです」
そのため、回数ごとのライトプラン(1回5000円、1コマ90分)、月会費3万8000円~の24時間利用可能なレギュラープランなど、比較的高額なシステムを導入 している。しかし、
「レギュラープランは利用回数によっては1コマ90分がよりリーズナブルになります」
それに加え、基本的にはメンバー1名に 対してゲスト1名を無料で同伴が可能だ。
「『Lounge Range』はインドアゴルフ場という表現をしています。なので、クラブライフ、メンバーライフを楽しんでもらいたい。とはいえ、富裕者層だけの場所ではありません。自分の生活スタイルに 応じて月額5000円のプランから月額10万円のプランまで選べるようになっており、初心者から熟練者、若者から年輩の方まで喜んでいただける完全個室のプライベート空間なんです」
仕事をリタイアした悠々自適なゴルファーがメンバーとして身近な場所でクラブライフを続けたい。方や、企業の福利厚生施設としての利用や新規事業として活用もある。その中で重要視されるのが、本物のメンバーシップ、そしてインドアゴルフ場というに相応しいシミュレーションゴルフだ。
インドアでも本格的に 約3割がダンロップの『SDR』
28拠点で約30打席を有する「Lounge Range」。1年余りで20店舗以上のFC加盟が実現した理由のひとつとして、問い合わせから最短2か月で開業できるノウハウがある。もちろん、開業月から単月黒字の実績もあり、だからFC加盟の問い合 わせが後を絶たなない。
しかし、それだけではない。同社がFC店に設置シミュレーションゴルフ機器の指定をしないことも、加盟店側の設計自由度
を広げている。ただ、
「その中でも全体の3割で採用されているのがダンロップのシミュレーター『SDR』です。ゴルフ用品の国内リーディングカンパニーが監修したシミュレーションとして大きな信用があり、インドアゴルフ場に相応しいとの判断が、採用に至っているのだと思います」
『SDR』はLPGAツアーの会場となるゴルフ場を中心にラウンドを楽しむことができるだけではなく、練習モードも充実。ハ ザードまでの距離、グリーンのフロントエッジ/バックエッジまでの距離も表示。自然環境やライの傾斜も忠実に再現するだけに、インドアの『ゴルフ場』というに相応しい機能を備えている。
「ゴルフを楽しむことを一番に考えた『SDR』だからこそ、『Lounge Range』に採用されている理由だと思います」
新規開業の費用は約2200万円~約3200万円かかるが、新たなゴルフの形としては、収益構造も確立されている『Lounge Range』が、新たなゴルフを創造しそうだ。