ユーティリティ攻略の鍵はシャフトにあり
ユーティリティやハイブリッドと聞いて想像することは「アイアンよりも楽にボールが上がって、フェアウェイウッド並みに飛距離が出る」ということではないだろうか。しかし、打ちやすいはずのユーティリティに苦手意識を感じるゴルファーは少なくない。
「シャフトが原因の可能性があります」と語るのは日本シャフトの栗原一郎主任だ。
「大半のゴルファーはユーティリティを標準シャフトのまま購入しますが、ほとんどが軽くて柔らかいカーボンシャフトが入っています。一方、アイアンは重いシャフトが入っているため振り感が合わない。結果的にお助けクラブであるはずのユーティリティが一番苦手なクラブになってしまうのです」
日本シャフトはそんなユーティリティに対する苦手意識を変えるべく、昨年10月にシャフトメーカーの総力を結集したユーティリティ専用シャフトを投入した。数年前より既に多数のツアープロから支持されていた、『N.S.PRO MODUS3 HYBRID Graphite On Steel Techno logy(モーダス3 ハイブリッド)』(2万5000円)がそれだ。
スチールとカーボンの良いところ取り
主な特徴としては、超軽量スチール本体とカーボン積層を、特許取得の特殊接着技術で強力に合体。スチールとカーボンのハイブリッドシャフトに仕上がっている点だ。
スチールシャフトは薄肉によりソリッドな打感でスピンの入った止まる球が打てるが、潰れたままインパクトを迎えるので、シャフト先端が戻らずロフトが立ったままボールに当たってしまう上、ミスヒット時の当たり負けに弱い。
ましてユーテリティはアイアンに比べて低重心なので、上からインパクトしてしまうと初速が出ず球も上がらずで、いわゆる「球がお辞儀する」状態になってしまうのだ。
一方、カーボンシャフトは設計自由度が高く、高弾道の強い球で飛距離を出せるが、スピンがかかりにくく、厚肉構造による打感のぼやけが発生してしまう。スチールとカーボンそれぞれにメリットとデメリットが存在するというのがこれまでの概念だったが、
「両者の特徴を融合することで、潰れ戻る力を生み出すことができました。定規を引っ張っ て放した時の『バチン』と当たる感じのイメージです」
まさしく両者のメリットを活かし、デメリットを補填するのが『モーダス3 ハイブリッド』だと言える。
「HS43m/s以上の上級者を対象としていますが、バックティーからプレーすると2打目は180~200ヤード残るケースが多い。まさしく『モーダス3 ハイブリッド』の出番だと思っています。ユーティリティシャフトに対するゴルファーの意識改革に取り組んでいきたいと思っています」
『モーダス3 ハイブリッド』によって、ユーティリティがアマチュアゴルファーの強力な武器になりそうだ。