日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は本日、国内女子ツアー初戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月5~8日、琉球GC)の中止を決めた。
同大会は2月19日、前夜祭とプロアマ大会の中止及び「無観客試合」での開催方針を固めていたが、2月26日に政府より大規模イベントの自粛要請があり、これを受けた形で中止に踏み切った。
LPGAは書面で「(前略)2月26日に政府から『大規模なスポーツや文化イベントについて、今後2週間程度、中止か延期、または規模を縮小するよう求める』考えが示されました。さらに、2月27日には『3月2日より小中高校の休校を要請する』との発表がなされました。
政府の国家的な課題として感染防止に取り組む強い姿勢表明を重く受け止め、最大限の協力をする観点から再度、慎重に議論を重ねた結果、開催を中止することといたしました」
政府は経済界にも協力を呼び掛けており、主催のダイキン工業の判断が働いたとも考えられる。
ただ、「無観客試合」は規模縮小であり、屋外でプレーされるゴルフの特性を勘案すれば、「続行」の選択肢もありだったかもしれない。
政府の「休校要請」に対して石川県金沢市の山野之義市長は本日、「周知期間が少なく休校の判断はできない」と述べるなど、独自路線を歩む構え。諸事、後手に回った政府の場当たり的な強硬策が各所で波紋を広げている。その煽りで加速する中止ドミノの今後が懸念される。
なお、本日現在、下記の通りゴルフ界の「中止・延期イベント」が増えている。
アイアンクラブ発祥の「ゴルフ祭り」延期
兵庫県神崎郡市川町はこのほど、4月に予定していた「ゴルフ祭り」の延期を決めた。同町は国内で初めてアイアンクラブが作られた「発祥地」として、町興しにつなげる催事を企画。今年4年目で、来場者1000人を目標にしていた。
岩見武三町長が実行委員長を務め、周辺のクラブメーカー社長らが運営委員を務める。同委は2月27日、新型コロナウイルスに関わる緊急会議を開き、参加12名の満場一致で延期となった。新たな開催日は「東京五輪閉幕後」が有力だが、具体的な時期は今後詰める。「延期による損失はチラシ制作費などの数万円」という。
PGAが台湾で開催のシニア大会延期
日本プロゴルフ協会は台湾で開催予定の「富邦仰徳シニア盃」(フーボン・ヨウトク・シニアカップ、4月23~25日、林口ゴルフ場)を11月20~22日の開催に変更した。新型コロナウイルスへの感染予防を重視したもの。
ホンマ新製品発表を中止
本間ゴルフは3月1日、契約のイ ボミが監修した『TR20 LEE BO-MEE limited Edition』の発表を中止。ザ・サザンリンクスGC(沖縄県)で同プロが試打、これをツアー担当記者が取材する趣向だったが、コロナ感染の予防を重視した。企画自体は小ぶりなものだった。
ゴルフ殿堂式典中止
日本プロゴルフ殿堂はジャパンゴルフフェア(JGF)の会期中(3月19日)に予定していた式典を中止。今年8回目で、顕彰者は謝敏男氏、中村兼吉氏、海老原清治氏、岡田美智子氏の4名に加え、特別賞には渋野日向子が輝いた。
渋野への表彰は年内中に、残り4名は来年のJGF会場内で行う予定。