国内女子ツアー2戦目「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」(3月13~15日、高知県・土佐CC)の中止が本日決まった。理由は初戦の「ダイキンオーキッドレディス」と同じ。
「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、(中略)国家的な課題として感染防止に取り組む政府の姿勢を強く受け止め、慎重に検討を重ねた結果、我々に出来る最大限の協力として開催を中止することにいたしました」(大会事務局)
同大会の主催は横浜ゴムだが、特別協賛に明治安田生命が名前を連ねて初開催となる予定だった。前夜祭とプロアマ大会も中止される。
女子ツアーの相次ぐ中止について業界内では「選手の健康を考えれば妥当な措置」「大会でコロナに感染すれば社会的な非難を浴びる」「中止、続行いずれにしてもゴルフ界の考えを示すべき」「他のスポーツ団体と連携して緊急連絡会議を招集すべき」など、多様な意見が出ている。
これに開催県や主催企業の判断が加わるため、運営者は難しい判断を迫られる。
また、ゴルフアパレルメーカーのグリップインターナショナルは、予定していた今年秋冬物の展示会を延期する。「神戸展」は3月4、5日から3月17、18日へ、「東京展」が3月11、12日から25、26日へそれぞれ2週間程度先延ばした。「新型肺炎に伴う工場稼働の遅れ」が原因だ。
ウエアは季節感が大事な商品だけに、既に多くのアパレルメーカーが春商戦の落ち込みを覚悟しているが、秋冬商戦についても影響が出始めたようだ。
関東を中心にチェーン展開する有賀園ゴルフはこのほど、2月の売上実績を発表した。既存23店舗の売上は前年同月比20%増、リニューアルオープンした杉並店(都内)とEC事業を含めた全体実績では41%増だったという。有賀史剛社長が次のように話す。
「安倍首相の方針発表により2月の最終週は鈍化しましたが、今回の『ゼクシオ』から値引き販売が沈静化しており、2月発売の『SIM』と『マーベリック』も適正価格で売られています。新商品効果と適性販売が好調要因でしょう。
ただし問題は3月以降で、先行きはまったく読めません。女子ツアーの相次ぐ中止も消費マインドに影響を与えるはず。ゴルフは屋外のスポーツです。仮にコロナの影響がゴールデンウイークまで続くとしても、業界がゴルフの特性をアピールすれば需要喚起につなげられる。落胆はしていません」
「中止ドミノ」が止まらないゴルフ界だが、業界の考えを鮮明にして、メッセージを発信する必要がある。