アドウェルがガラスコーティング剤『ハドラス』をゴルフ業界に広げてから8年が経った。
販売員がゴルフ用品に施工することで、モノではなく、「技術」を売るビジネスモデルを確立。
用品市場で常態化していた「引き算(値引き)」の世界に、「足し算(利益)」を生み出した。
今や累計施工件数は150万件を超え、年間の累計施工金額は10億円以上。
ゴルフ用品を長く綺麗に使えるとあって、顧客満足度も高まり、まさに一挙両得の商材に成長した。
そこに注目したのが、韓国のゴルフショップ向けに卸売業を営むWAVE X社の金仁鎬社長だ。
同社は4月より、韓国市場で『ハドラス』の施工サービスを展開する構えだ。そこで本誌では金社長とアドウェル富山暁社長の対談を逸早く誌面化。両氏に海外での『ハドラス』戦略を聞いた。
ついにアドウェルが『ハドラス』を海外展開されるようですが、率直な感想を聞かせてください。
富山 今回の件はアドウェルにとっても海外初進出の重要な事業となります。『ハドラス』を日本のゴルフ市場に提案してから8年が経ちましたが、ここまで来たのは現場の販売員の方が地道に施工してきてくれたからこそ。日本の販売店と一緒に培ったビジネスが海外で広がることに喜びを感じています。
今回、WAVE X社の金社長と協業し、韓国で『ハドラス』を展開していくとのことですが、まずはWAVE X社の事業内容について金社長にお聞きしたいと思います。
金 分かりました。当社は韓国でゴルフ用品の販売を行っており、韓国の大手企業ゴルフゾンが運営する「ゴルフゾンマーケット」120店舗のほか、「ゴルピン」「スタイルキャディ」と取引があります。他にもコーロンスポーツの「ザ・カート」にも販売しています。
ゴルフゾンは日本ではシミュレーターのイメージが強いですが、韓国ではショップ運営にも注力しているんですね。早速ですが、『ハドラス』を韓国のゴルフ市場に展開しようと思った経緯を教えてください。
金 実は今、韓国の中古ゴルフクラブ市場が急成長しており、それに伴いクラブを大切に使おうという意識が高まっています。その中で、ある時、来日した際にヴィクトリアゴルフに立ち寄ったのですが、そこで『ハドラス』の存在を知り、非常に可能性を感じました。
富山 韓国でもせっかく買ったクラブを大切にしたいという文化は日本と同じなんですね。
金 はい。それと韓国ではマジェスティや本間などの高級クラブが売れています。それだけに自分のクラブを大切にしたいというゴルファーが多い。そこで韓国ではクラブに保護フィルムを貼ることで傷がつきにくくするのですが、どうしても見栄えが良くありません。一方、『ハドラス』はガラスコーティングということで見た目も変わらず、傷をつきにくくする効果も高い。韓国でも展開すれば、クラブの付加価値も高まりゴルファーにも喜ばれるのではと思いました。
富山 ガラスコーティングの「傷がつきにくい」というキーワードに注目してくれたことが嬉しいですね。というのも、実は『ハドラス』が流行ったことで、日本にも競合品が沢山出てきました。ただ、中にはガラスの成分が入っていないものをガラスコーティングと謳って、傷がつかないと説明している店もある。迷惑が及ぶのはゴルファーです。だからこそ、金さんが『ハドラス』を評価してくれたのはありがたいです。
金 帰国してからウェブサイトなどで情報を集めたところ、『ハドラス』はメイドインジャパンのしっかりしたガラスコーティング剤で、住宅や自転車にも施工されていること、そしてゴルフ業界でも広がっていることを知りました。売場でも施工後のシューズが汚れや水を弾いている様子が紹介されていましたが、革に塗るコーティングは韓国では聞かないので驚きました。
富山 当時は日本でも、革に塗るコーティングは珍しかったんですよ。だからこそこれだけゴルフシューズの『ハドラス』施工が浸透したんだと思います。
金 なるほど。実はその時に販売員の方が売場でゴルフシューズに『ハドラス』を施工しているのを見かけました。当時は何をしているのか分かりませんでしたが、帰国して調査したところ、販売員が施工するシステムだと知り、その時の姿とリンクしました。そこでアドウェルさんにコンタクトを取らせていただいたという経緯です。
富山 金さんが『ハドラス』に気づいてくれたのは、まさにショップで『ハドラス』施工をしている姿を見てくれたからこそ。つまりB2Cじゃなくて、B2Bで展開しているビジネスだということを認識してくれたんじゃないでしょうか。
金 そうですね。
富山 私はゴルフメーカーで30年間、モノを売ってきた。つまり製品の性能がこうで、卸価格がいくらで、バックマージンがこれくらいでというビジネスをずっとやってきたんです。でも『ハドラス』はモノではなくコトを売ること、販売員の施工技術で売上を立てるビジネスだということに金さんも注目してくれたんじゃないですかね。
金 そうですね。それと似ていますが、大手のアップルも今はモノではなくコトを売っている。そこにシフトする必要性を感じていました。
『ハドラス』が韓国ゴルフ用品市場の突破口になる?
金 当社取引先である大手ゴルフ販売店様とのミーティングの際、議題に上がるのは、「自分たちの強みは何だろう?」ということなんです。
韓国ではゴルフショップの競合が非常に多く、同じ商品を販売している中で、競争に勝つためには仕入れ値より低い金額で販売し、本数を売って目標を達成し、割り戻しで補填するということが多いんです。
富山 日本より酷いですね‥‥。
金 それを何とか打開したいという中で、『ハドラス』を提案しました。その結果、本部でも自分たちの強み、突破口になる商材だということで、絶対にやりたいと言ってもらえました。あと、韓国の大手百貨店のゴルフショップでは、プレミアム感を強化する取り組みをしています。こちらにも提案したところ非常に好反応でした。
富山 日本と韓国は歴史的にも色々あったけど、実は文化や芸能といった経済的な交流は深いんですよね。実際に日本の女子プロもオフは韓国旅行に多く行っているわけで。だから私は、モノを大切にしたいという想いもしかり、日本と韓国に共通点を感じるんですよ。
韓国で人気のパークゴルフでも『ハドラス』を展開
金 それともう一つ、今韓国ではパークゴルフが大人気なんです。韓国ではパークゴルフ場が約400コースあるのですが、開始5分で枠が全部埋まってしまい、予約が取れないくらいです。実はパークゴルフは北海道が発祥だと知っていましたか?
それは知りませんでした。
金 そうでしたか(笑)。韓国でパークゴルフをやっている人は全員知ってますよ。
富山 日本に住んでるのに悲しいよね。でもこれが現実なんです。
金 当社はパークゴルフにも『ハドラス』を展開したいと考えています。パークゴルフクラブの値段は様々ですが、高いモデルだと1本18万円くらいするものもあります。韓国ではほとんどのプレーヤーがマイクラブを持っており、一番人気があるのは高級クラブの本間です。つまりパークゴルフでも、それだけクラブに投資する人が多いということ。韓国のパークゴルフ市場でも『ハドラス』が注目されることを期待しています。
富山 ここが日本との違いですよね。パークゴルフのクラブヘッドは木材だから、『ハドラス』の「USED」タイプは木材への水の侵入も防ぐのでピッタリだと思います。実は私も以前、パークゴルフへの施工を考えていましたが、日本ではブームにならず断念した経緯があります。もし韓国で成功すれば、パークゴルフの文化も日本に逆輸入できるかもしれないですね。それに発祥地の北海道も含め地方創成や活性化に繋がればと考えています。
『ハドラス』を介して日本と韓国のゴルフ市場に相乗効果が生まれる?
富山 その可能性を感じますね。
ゴルフ業界の中から外の世界へ
ここまで色々聞いてきましたが、最後にまとめをお願いします。
金 現在韓国での認証取得に向けて動いており、早ければ3月末か4月頭には展開できる予定です。『ハドラス』は販売員が行う施工ビジネスだということは理解していますので、販売店本部と連携してスタッフの教育を徹底し、準備を万全にした上で展開したいと思っています。
日本では年間10億円の売上ですが、初年度の目標は?
金 ガラスコーティングはこれまで韓国になかったものなので、着実にやっていきたいと思っていますが、まずは初年度5000万円を目標にしています。パークゴルフ市場でも展開しますので、下半期はもっといくのではと考えています。それと韓国では自転車も人気で、富裕層は100万~150万円、高いものだと300万円のモデルを購入しています。ゴルフとパークゴルフで着実に浸透させた後、自転車にも『ハドラス』施工を展開したいと思っています。既に大手ゴルフ販売店の紹介で自転車販売会社とも繋がっています。
さらに可能性が広がりますね。富山社長はいかがでしょう?
富山 とにかく金社長はスピードが速いので感心しています。『ハドラス』の公開関連資料もあっという間に韓国語に翻訳して展開してるので。
金 それは御社がすぐに対応してくれたからですよ。
富山 実はもう一つ発表があるのですが、アドウェルは日本の釣り業界にも進出します。既に国内大手2大釣りメーカーのうちの1社と契約が済んでおり、今後釣具店での『ハドラス』施工が始まります。
飛ぶ鳥を落とす勢いですね。
富山 『ハドラス』も日本のゴルフ業界で8年目になり、正直言うと販売現場にも多少のマンネリ感が出てきています。だけど、何度も言いますが、こうやって話している今も、日本のゴルフ業界で毎日『ハドラス』施工を頑張ってくれている販売店がある。そのことに感謝したいですし、日本のゴルフショップが培ったビジネスが、こうやって海外に広がっていくことの凄さ、『ハドラス』はそういう商材なんだということを販売店の方にも再認識してもらえたら嬉しいと思っています。
金 我々の取り組みが日本のゴルフショップの刺激になってくれたら良いですね。改めて当社をパートナーに選んでくれてありがとうございます。韓国を皮切りに他の国にも展開できるように我々も頑張りたいと思います。
富山 ありがとうございます。当社にとっても海外進出は初めてのこと。是非広げてほしいと思います。
アドウェル 富山裕貴部長
韓国の高校野球はエリートしかできないスポーツです。そのため韓国では「芝野球」が流行っており、野球のスパイクが売れている。現在、『ハドラス』を芝野球市場にも展開することを考えています。当社は現在、日本の野球界をはじめ、サッカー・ラケットスポーツにも『ハドラス』を展開しています。