シャフト2021

『EG520-MK』『EG519-ML』

エッジワークス

2021/04/02

新進気鋭のシャフトが登場

インパクトで「叩ける・押せる」

「叩いても曲がらない」という同社の意欲作『EG520-MK』、『EG519-ML』の2本(各1本5万5000円)のシャフトをギアに精通するソクラテス永井延宏プロが検証する。

『EG520-MK』の第一印象

50g台の『EG520-MK』は、RからXまでの5フレックス展開。シャフト特性としては、マイルドな挙動で高弾道をイメージしており、安心して叩いていけるモデル。

全フレックスにおいて、挙動としなりの統一感を図っているのが特長的で、コスメはマットブラックで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。オレンジとグレーであしらった『EDGE』ロゴのグラデーション効果により長さを感じさせない工夫が施されています。

試打クラブを持った印象は非常にしっかり感があって、いかにも叩いていけそう。これから全フレックスを打っていきます。

『EG520-MK』を試打!思い切って叩けるシャフト

まずは硬度Sから。なるほど。ひとくちでいうと、シャフト挙動は穏やかですね。切り返してから身体のスピードに素直についてきてくれて、インパクトゾーンでは先端がグーンっと球を押し込んでいく。

ボールに圧力をかけて、エネルギー効率の良い「厚いインパクト」をシャフトが再現してくれると率直に感じました。『EG520-MK』の目指しているところがつかめたところで、他のフレックスを打ってみたいと思います。

硬度が変わっても重量帯はさほど変わりませんが、シャフト自体の意志がハッキリしていますね。手元部分が身体としっかり同調しながら力を溜めていき、インパクトでシャフトがしっかりエネルギーを放出する。

シャフトの設計図というか意図を感じますし、そのことを念頭に様々なフレックスを打ってみましたが、その挙動はすべて共通するものがありました。

「オブラートに包む」という表現がありますが、硬さが増していくと、しっかりさを徐々に包み込んでいくようなイメージでSXやXでもシャフト自体が仕事をしてくれます。

そういった意味でこの辺りがスタンダードなのかぁと感じたのが、硬度SR。

自分のスイングのリズムやスピード、シャフトの挙動がマッチングしました。SRで組み上げたときのスペックは、258CPM(46.5インチ)ですから、市場でいう「ややしっかりめのSR」 に位置します。

トラックマンのデータでもHS42で最も良い結果が得られましたので、アマチュアの方はまずSRを入り口にするといいでしょう。とにかくシャフト全体のエネルギー感、インパクト時の球の押しの強さがよく出ています。

『EG519-ML』の第一印象

続いて『EG519-ML』に移ります。こちらは先ほどの『EG520-MK』と同様50g台の重量帯ですが、やや軽めの設定。

中先調子でやや先が動くシャフトという触れ込みですが、デメリットである球のつかまり過ぎや左へのミスというのを、ゴルファーが恐怖感を持たないで使える、中先調子でも安心して叩いていける、というのをコンセプトにしています。

やや手元側の剛性や重心位置もコントロールしているそうなので、早速検証していきましょう。

『EG519-ML』はしなり系だけど叩ける!

RからXで全5種類を打ってみましたが、明らかに『EG520-MK』とは特性が違いますね。『EG519-ML』は中先調子ということで、しなり戻りの挙動がハッキリ感じられるモデル。

重量帯も50g前半(R)からとやや軽めの設定ですから、振りやすさに重点を置いているのが理解できます。

しなり戻り量は大きいと感じる一方、そのスピードは穏やかに戻ってくる感覚ですので、タイミングがとりやすい。左を心配せずに叩けるのはそのあたりが理由かな。短い時間でしなり戻りが速いと急激にヘッドが返ってしまいますが、『519』ではそのような動きは見られませんでした。

続いてトラックマンのデータを見ていきます。「振りやすさ」の部分でいうと私の場合、硬度Sがいい数値が出ました。

通常、硬度SからRへ柔らかいシャフトを打つと、シャフト挙動に合わせて身体のスピードが落ちるというのが定説ですが、『EG519-ML』はまったく落ちません。

どういうことか? 身体の動きをシャフトのしなりによってスピードに変えている証で、レスポンスが良く、シャフトがスピードを作ってくれる。近年の大型ヘッドとの相性も良いと思います。

『EG520-MK』と『EG519-ML』はどんなシャフトか

思い切って叩ける『EG520-MK』、しなり系だけど叩ける『EG519-ML』の打ち比べをしましたが、対象者ははっきり分かれます。

『520』は中調子が分かりやすく、「振る」というアクションに対するシャフト挙動に全く違和感がありません。硬度が柔らかくても硬くてもとにかく同じところに戻ってくる

。つまり、ミート率が上がりやすいということ。中調子だと一番負荷がかかった時に当たり負けや、押し感が足りないという声を聞きますが、『520』はRからXまで一切当たり負けしません。

一方の『519』は中先調子なんだけど、グーっと粘って押し感が強いので、スイングタイプ的には全方位型といえます。

先が走り過ぎることがないのが最大特長で中先だと球が引っかかってしまって使えない、というひとでも使えるでしょう。両タイプともインパクトで球を押すイメージがあり、『519』は爆発的、『520』は意図したところに運んでくれるというと分かりやすい。


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