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トーナメント開催の「指針」発表 通常開催から中止まで5段階

2020/05/21

国内のプロゴルフトーナメントに関わる5団体は20日、新型コロナウイルス感染防止と大会の開催について「ガイドライン」を発表した。現状、ツアー開幕の目途は立っていないが、指針と対策を示すことで判断基準が明確になる。開幕に向けて大きな一歩といえるだろう。

5団体の内訳は、日本ゴルフ協会、日本プロゴルフ協会、日本女子プロゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構、日本ゴルフトーナメント振興協会で、これまで対策会議を重ねてきた。

ガイドラインは日本プロ野球機構と日本プロサッカーリーグが設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の提言を参考にして、感染症専門医の東邦大学・炭山嘉伸理事長の監修を得た。今後、状況に応じて改訂していく。

内容は「基本方針」「感染症対策を考える重要事項」「選手・大会関係者への対応」「トーナメント開催の基本方針」「観客への対応」「観客の入場を前提とした試合開催」の6項目だが、注目されるのは「開催」に関わる諸事項だ。

開催可否の判断基準は、1政府及び自治体の見解、2開催自治体の状況、3選手の状況及び動向、4他のスポーツの動向、5ツアー全体の状況で、「1」については特定警戒都道府県での開催は不可能であり、それ以外の地域での開催も行政・医療機関と協議して慎重に判断することが求められる。

大会で感染者が出た場合は「社会的な責任が大きく問われ、主催・協賛・開催ゴルフ場だけではなくゴルフ全体のダメージが大きく、産業活動の継続が困難になる場合がある」(要約)ことを指摘している。

大会実施の「5段階定義」

ガイドラインでは、大会を開催する場合でも5段階の定義があるとする。具体的には、1通常開催、2催事の縮小、3無観客開催、4非公開開催、5延期・開催地変更・中止である。

「1」は政府方針、自治体との協議等で安全が確認された場合に踏み切るが、ギャラリーの入場時にサーモメーター等を使った体温チェックを実施。37・5度以上を目安に注意を呼び掛けるほか、マスク着用、「3密」の回避、選手との握手やサイン禁止など、10項目の注意事項を示した。

「2」はプロアマ、前夜祭等の中止検討やギャラリーの入場制限など5項目を検討。「4」はメディアの取材を禁じ、リモートによる取材や記者会見に対応するなど3項目。

これ以外では、各大会は事前に感染症専門医のアドバイザーを決め、予め所轄の保健所に開催の旨を通知、検査体制(抗原検査、PCR検査、検温、医師の問診)を整えることも付記された。

また、外務省から渡航中止勧告が出ている「レベル3」地域や国への訪問歴がある選手は、公式練習日から起算して14日以内の場合「出場できない」旨も明記された。

大会期間中に選手とその濃厚接触者に陽性反応が出た場合は「その場で中止すべきかを検討し、続行の場合は会場に出入りする全員に検温など健康チェックを行う」ことになる。

夏の「甲子園大会」が中止となるなど、多くのスポーツイベントが難しい判断を迫られている。個人競技のゴルフトーナメントは多くの選手・関係者が様々な地域から集まるため、県の越境が必然となる。そのため判断材料は多岐にわたるのだが、ガイドラインが出たことは大きな前進といえるだろう。


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