球春到来を告げる「ジャパンゴルフフェア」(JGF2020、3月19~21日、パシフィコ横浜)が新型コロナウイルスの影響で中止となり、振り込まれた出展料の「扱い」が注目されていたが、主催者の日本ゴルフ用品協会(JGGA)はこのほど、約8割の返金を決定。関係者には安堵感が漂っている。
それもそのはず。中止が発表されてからの約3週間、様々な噂が飛んでいた。なかでも会場のパシフィコ横浜にキャンセル料としてかなりの金額を払うのではとの憶測もあり、だとすれば出展社への返金は雀の涙になってしまう。フェアが中止され、おまけに少額の返金なら、出展者にとっては泣きっ面に蜂。
その意味で約8割の返金は久々に明るいニュースといえ、最大のコストである会場のキャンセル料が発生しなかったことが大きい。
今回の返金についてJGGAは、JGF2020の出展要項の第12-4条(「不可抗力による開催中止・短縮」)の第1項に則って決めた。以下、JGGAが出展各社に配布した書状の中身を要約しよう。
主催者である当協会の判断によりJGF2020の開催を中止できる「 不可抗力により 展示会開催が著しく困難となった場合 」の一例として、「天災」や「テロ」と並んで「感染症」及び「第三者からの指示・命令」の影響による場合も明記されております。さらに、出展要項の第12-4項の第2項には、「開催以前に、不可抗力により全日程が開催中止となった場合、当協会は弁済すべき必要経費を差し引いた出展小間料金の残高を出展社に返却します。」と規定されます。
また、「弁済すべき必要経費」とは、例年JGFを実施するにあたり通常発生している、JGF開催のための必要な経費であり、JGF2020に関しての必要経費は約3633万円、これに対し、JGF2020の出展社から入金される出展料の総額は1億7793万円となる。したがって、出展料の総額に対する必要経費の比率は、
3633万円/1億7793万円=20.41824%≒20.42%
以上により、出展各社には、出展料の20.42%の金額を差し引いた残金を返金することになるという。
これ以外にもブースの装飾代金など、業者への支払いは個別に発生する可能性もあるが、返金割合が決まったことで今後の事業計画が立てやすくなる。主催者のJGGAはコロナに振り回された格好だが、「残務処理」として大きな山を越えたといえる。