2025シャフト・グリップ

GMASTER(ジーマスター)

佐々木製作所

2025/03/26

佐々木製作所の佐々木謙彦社長

オリジナルロゴの版代を大幅削減、サンプル即日完成の独自特殊加工技術

佐々木製作所が2025年2月14日、グリップ市場へ新規参入を果たした。国内一貫生産を武器に成型機をはじめ混合機や乾燥機など6000万円を投じた自社工場「SASAKI FACTORY」(茨城県北茨城市)を訪問し、同社の佐々木謙彦社長に話を聞いた。

「永年培った射出成型技術を応用し、自社開発したゴルフグリップが遂に完成しました。一人でも多くのゴルファーに使ってもらいたいですね」

そう語るのは佐々木製作所の佐々木謙彦社長。2月14日、エラストマー素材の『GMASTER(ジーマスター)』で、群雄割拠のグリップ市場に参入した。

同社は1973年、謙彦社長の父・佐々木謙一氏がプラスチック加工で創業した。現在は自動車やバイクの緩衝部品はじめ、エレベーターのローラ製造が主力だ。23年の売上は約6億5000万円、社員数は42名。他にも和菓子・餅類製造販売の佐々木食品が関連会社に連ね、看板商品の『揚げもち』は月産130万本の人気商品だとか。とはいえ、製造業ならではの悩みを抱えていたようで、

「OEM製造は、指示されたものを指示通りに納めて成立するスタイルです。生産量が増えれば恩恵を受けられ、案件をこなしていくことで製造技術のノウハウを蓄積できるメリットがあります。一方で受託量に左右されるため利益がなかなか安定しません。自社ブランドの確立は、喫緊の課題でした」

と話す。

総工費6000万円を投じグリップ工場を新設

そこで、2年前に佐々木社長が4名の社員を中心にゴルフ事業部を新設。なぜ、ゴルフ業界に進出することになったのだろうか。

「私の強みは、33年のゴルフ経験です。知識、技術、人脈に加えてゴルフ愛があります。ゴルフ事業にはずっと関心を持っていて、今回のプロジェクトは、会社と私の2つの強みを掛け合わせた自社開発品へのチャレンジです」

と、前置きしてこう続ける。

「得意分野である生産・生産管理・品質管理を活かしつつ、50種類以上の材料を試してオリジナルエラストマーを材料メーカーと開発しました。さらにゴルフに情熱を持ちながらも⾧年数千種類もの工業用部品の設計・材料開発に携わってきた技術者を招聘。試作品のテストを含めると発売まで2年の歳月を費やしました」

佐々木社長は高校ゴルフ部出身で、HDCP1.1の腕前ということもあり、生産・品質の強みと設計技術を活かしゴルフとの親和性を見出した。

既存の工場敷地内に新工場(約40坪)も竣工。総工費6000万円を投じる力の入れようで、

「県内には、エラストマーグリップのメーカーや金型製造の経験がある企業はありません。でも、茨城県には優秀な企業がたくさんあります。製品のモデリングを今橋製作所(日立市)に、金型製作をいがり産業(笠間市)にお願いしました。量産体制も整い最大で月産5万本の製造が可能です」

クラフトマンにも寄り添うGMASTER特殊加工技術でOEMにも注力

そして、メイドイン茨城の技術により発売に漕ぎ着けたのが、オリジナルエラストマーを使用した『GMASTER』で、チェッカープレートより着想した機能的なデザインは、雨や高湿度下でのプレーにおいてもグリップ力をキープ。装着性にも拘っており、

「あらゆるグリップメーカーを研究し、実際に使用するゴルファーだけでなく、グリップ交換を行うクラフトマンが装着しやすい寸法・設計と自負してます。我々グリップメーカーにとってのお客様は、使用するプレイヤーと販売店ですが、クラフトマンにも寄り添っています」

スタンダードサイズの重量は49g±1g、独自のマルチロゴカラーを施した3色を含めた全9色を投入。価格は1980円。後発ゆえに製品の差別化が課題だが、ロゴ部分に独自性を打ち出しており、

「通常のグリップですと、刻印してから着色を行いますが、『GMASTER』では逆に文字が立体的に浮き上がるよう特殊加工を施しています。周辺を若干凹ませて、ロゴ部分はグリップ外周からはみ出さないよう設計にも配慮しました。特許申請中で、ブランド名や店名などオリジナルで名入れが可能です」

ロゴの色は単色以外も可能で、ロゴデータがあれば、調整後5分程度でサンプルが完成。即日サンプルが出せるという。また、通常よりも版代コストを大幅に削減できるメリットを活かし、OEM製造にも注力する方針だ。
ロゴやパッケージなど、ブランドに関わる全てのデザインはアートディレクターの池崎哲也氏が担い、販売代理店は、BIRTHに決まった。 今後、ミッドサイズグリップを今夏までの発売を目指していて、パター用グリップも開発中。さらにパターアライメント練習器具『GMASTER KAIZEN』(特許申請中)の量産化へ向け現在最終の詰めを急いでいる。

〝メイドイン茨城〟で地方創生も担う佐々木製作所の夢ファクトリーが動き出した。


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