1月にフロリダで開催されたPGAマーチャンダイズショー(PGAショー)にて、2大ブランドを連携した革新的な次世代型の新サービスが発表された。
世界のプロやアスリートゴルファーが練習に愛用し、各大手クラブメーカーが製造・試験の過程で使用するForesight Sports(フォーサイト・スポーツ)社の弾道測定器『GC』シリーズと、世界のゴルフ市場でナンバーワンのレーザー距離計であるBushnell GOLF(ブッシュネルゴルフ)の『Pro X3』シリーズのデータを連携した「LINK-Enabled テクノロジー」である。
それを受け、3月にパシフィコ横浜で開催されるジャパンゴルフフェアにおいても、この新サービスが日本のゴルファーに発表される。
「LINK-Enabled テクノロジー」の全貌とは?
フォーサイトアプリには、『GC」シリーズを使って自分の各番手で3ショットを測定し、それぞれの番手のデータや傾向を分析する「マイバッグ機能」が搭載されている。
一方、『Pro X3』には、勾配計算(スロープ機能)に加えて、気温・高度(気圧)を加味した「打つべき推奨距離」を表示する「エレメント機能」が搭載されている。
今回の新サービスでは、独立していたこの2つの製品を両社のテクノロジーによって連携させることに成功した。使用方法は簡便で、
1)各番手を最低3ショット測定し、フォーサイトアプリにデータを保存する。
2)ブッシュネルゴルフアプリにそのデータを連携する。
3)『Pro X3』で距離を計測。
という手順だ。初回利用時に、両ブランドのアプリのアカウント連携(ワンクリックで可能)と、測定のためのデバイスをブルートゥース連携する必要はあるが、それ以降はアプリが自動でデータ連携する。
それによって、「ゴルファー固有」の「打つべき距離」(パーソナライズド・プレイアズ・ディスタンス)と、「推奨番手」がレーザー距離計のディスプレイ内に表示される。さらに推奨番手は、対象物をオーバーする番手(プラス)と、ショートする番手(マイナス)の2つを表示してくれるため、例えばピン奥のハザードを避けるために手前にレイアップするとか、ピン手前のハザードを回避するために少し大きめに打つなどといったコースマネジメントにも貢献することになる。
さらにこのテクノロジーは、その日のゴルフ場の環境条件(場所、気温、標高など)に基づき、計測した距離がリアルタイムで調整されるため、あらゆるゴルフ場のあらゆる気候でも「自分だけ」の最適な番手が分かるというものだ。
またブッシュネルゴルフアプリは、コースのホールレイアウト上に、蓄積された番手ごとの着弾分布図を視覚的に表示する機能も搭載されている。これを併用することでより確度の高いクラブ選択やコース戦略ができるというわけだ。
従来の「エレメント機能」や一般的なスロープ機能は、ある意味で〝弾道計算〟をしていたに過ぎず、その意味でも今回のテクノロジーは、一般的なレーザー距離計が表示している推奨距離とは一線を画すものだ。もはや言い訳のできない、「そのゴルファーだけ」のデータだと言える。
さらに両社は新サービス専用モデルである『GC3S』と『Pro X3 LINK』を同梱したパッケージ商品を一般向けに販売予定。個人の新規ユーザーを増やしていく構えだ。
対象モデルは他にも!
実はこの連携は、既存モデルの『GC3』『GCQuad』『QuadMAX』『GCHawk』『FALCON』も対象になっている。一方のブッシュネルも、『Pro X3 LINK』以外に、『Pro X3+』『Pro X3』も対象だ。『Pro X3』シリーズの日本の既存ユーザーは数万人規模で、『GC』シリーズの設置店は今期の展開(予定)も含めると1000店舗を数える。新たにパッケージモデルを購入せずとも、既存の数万人の『Pro X3』ユーザーがそのまま恩恵を受けられる点が新サービスの特徴でもある。
ショップとインドアを活性化する「LINK SHOP」の新設
さらに両社は該当の『GC』シリーズが設置されており、今回の連携方法のトレーニングと事前の簡易審査を受けた店舗を「LINK SHOP」(リンクショップ)という認定ショップにし、4月上旬よりゴルファーが店舗に来店する仕組みを構築する。認定ショップは「リンクショップ」のロゴを店内に掲示することができ、『Pro X3』シリーズのユーザー向けにデータ測定と登録、連携を支援するためのサービス提供が可能となる。つまりこれは「リンクショップ」が新しいサービスインフラになれるということを意味する。
データ連携はフィッティング同様、有料化も可能なため店舗の利益になるだけでなく、競合店舗との差別化も可能だ。さらに、『Pro X3』シリーズユーザーの来店動機の創出に繋がり、新たな顧客との接点が生まれる。『Pro X3』シリーズは、価格・性能共にブッシュネルの中でも最上位に位置するモデルで、当然既存ユーザーはギアへの感度が高いゴルファーだ。データ連携によって、そういった層のゴルファーの弾道特性、クラブセッティング、番手間の飛距離ギャップを把握できるため、店舗側は新たなクラブの提案や販売に繋げられるメリットがある。
もちろんレッスンを主としているインドアも対象になるため、『Pro X3』シリーズの販売、苦手な番手のスイングレクチャーなどの付加サービスを提供し、これまでなかった利益を生み出すことも可能だ。
今回の取り組みは、単なる2大メーカーのコラボにとどまらない、ゴルフショップとインドアに好循環を創出するサービスなのである。
ゴルファーのスコアアップに
そして何よりも今回の新サービスにより、ゴルファーは自分だけのキャディを片手に持つことになり、確実なコース攻略でスコアアップに繋げられる。さらに自らのクラブセッティングの穴を知ることができ、実は自分が把握していた番手ごとの距離が打てていないということに気づけるかもしれない。クラブセッティングを根本から見直し、よりレベルアップに繋げることも可能だ。
世界最高の弾道測定器とレーザー距離計が提供する新サービス。ゴルファーと業界企業の双方に大きなメリットをもたらしそうだ。